中国と中央アジア5カ国「アスタナ宣言」 農業・エネルギー協力を強化
中国と中央アジアの5カ国が、中国・中央アジアサミットでアスタナ宣言と呼ばれる共同宣言を発表し、農業やエネルギー、安全保障など多分野で協力を深める方針を打ち出しました。国際法や国連の役割を重視し、多国間主義を掲げる今回の合意は、国際秩序と地域の安定をめぐる動きとして注目されています。
中国と中央アジア5カ国 アスタナ宣言の概要
アスタナ宣言は、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの6カ国が、中国・中央アジアサミットの場でまとめた共同宣言です。宣言では、農業やエネルギーといった経済分野から、安全保障や国際秩序に関わるテーマまで、協力の方向性が示されています。
農業協力とスマート農業の推進
宣言によると、6カ国は農業分野の潜在力をさらに引き出すことを確認しました。中国は、中央アジア諸国が中国国際輸入博覧会などの大型展示会を通じて自国の農産物の知名度を高める取り組みを歓迎するとしています。
各国はまた、情報技術を活用したスマート農業の発展や、省水型で環境に配慮した効率的な農業技術の導入、先進的な経験の共有を進める意向も示しました。
さらに、砂漠化した土地や塩害を受けた土壌の管理・開発などの課題に取り組むため、関連する技術と人材の交流、協力を強化することにも合意しています。
エネルギー協力とクリーンエネルギーの拡大
エネルギー分野では、中国・中央アジアエネルギー開発パートナーシップの設立を支持し、エネルギー産業チェーン全体で協力を広げる方針が打ち出されました。
石油、天然ガス、石炭といった従来型エネルギーでの協力をさらに拡大するとともに、水力、太陽光、風力、水素エネルギーなどのクリーンエネルギー分野での連携も強化するとしています。
また、平和目的での原子力の利用に関する協力を一層深めることも、アスタナ宣言に盛り込まれました。
多国間主義と国際秩序をめぐる合意
アスタナ宣言は、6カ国が多国間主義を堅持し、国際的に認められた国際法と国際関係の基本原則を尊重する姿勢を改めて示す内容となっています。
各国は、国連憲章の目的と原則を順守し、互いの独立、平等、主権、領土保全を尊重することを再確認しました。
さらに、より公正で公平な国際秩序を築くため、平等で秩序ある多極化した世界と、すべての国に利益をもたらす包摂的な経済のグローバル化を推進することにも合意しています。
宣言はまた、国際平和と安全、持続可能な発展を守るうえで国連が果たす代替できない役割を支持し、平和、発展、公平、正義、民主、自由といった人類共通の価値を擁護する姿勢を強調しました。そのうえで、人権などの問題を政治化する動きに反対する立場も打ち出しています。
テロ対策とアフガニスタン支援
安全保障面では、中国と中央アジア5カ国がテロリズム、分裂主義、過激主義のいわゆる三つの勢力に共同で立ち向かい、あらゆる形態のこれらの行為を強く非難することで一致しました。
宣言によると、各国はテロ組織による越境浸透や麻薬密輸、国際的な組織犯罪、サイバー犯罪などの脅威と戦い、協力プロジェクトが円滑かつ安定的に進むよう環境を整えることを約束しています。
6カ国は、安定し、発展し、繁栄する中央アジアは、6カ国の人々だけでなく、より広い国際社会にとっても共通の利益になるという認識を共有しました。
また、アフガニスタンについては、国際社会と協力してアフガニスタンの人々が平和と安定を維持し、社会インフラを再建し、地域および世界の経済システムに統合されるよう支援していく姿勢を示しました。
テロや麻薬の脅威から解放された、平和で安定し繁栄するアフガニスタンを築く取り組みを支持することも確認しています。
国際ニュースとして押さえたいポイント
今回のアスタナ宣言は、
- 農業とスマート技術を組み合わせた協力
- 化石燃料とクリーンエネルギーを含む幅広いエネルギー連携
- 国連中心の多国間主義と安全保障協力、アフガニスタン支援
という三つの柱を通じて、地域のつながりを強めようとする動きを示しています。
国際ニュースを日本語で追う読者にとっては、農業やエネルギー、安全保障といった分野で今後どのように協力が具体化していくのかが、これからの注目ポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








