国連総会で中国が一方的強制措置に懸念 毎年12月4日に国際デー
国連総会で「一方的強制措置」をめぐる議論が行われ、中国の代表がその中止を強く求めました。毎年12月4日を一方的強制措置に反対する国際デーとする決議も採択され、国際社会の議論は新たな段階に入りつつあります。
国連総会で中国代表が訴えたこと
中国の傅聡(Fu Cong)国連常駐代表は、国連総会本会議の討論で、一方的強制措置は多国間主義と国際法の精神に反するとして、その廃止に向けた取り組みを呼びかけました。
傅氏は、一方的強制措置は「一国の国内法を国際法や他国の法律より上位に置き、国家の主権平等の原則を踏みにじる」と指摘しました。また、国連安全保障理事会の集団的な意思決定メカニズムを無視し、対話や協議ではなく、威圧や力による政治に置き換えるものだと批判しました。
人権と人道への深刻な影響
傅氏は、一方的強制措置が他国の基本的人権を侵害し、「体系的な人道上の惨事」を引き起こしていると警告しました。
とくに、一部の西側諸国による一方的強制措置について、名目上は人権保護を掲げながらも、実際には対象となった国の人々の基本的権利を深刻に損なっていると述べました。影響を受けるとされた権利には、例えば次のようなものがあります。
- 生命への権利
- 健康への権利
- 開発への権利
こうした措置によって、もともと大きな成長の可能性を持っていた国々が大きな打撃を受け、持続可能な開発目標の達成がいっそう遠のいていると訴えました。
経済・技術協力とサプライチェーンへの打撃
傅氏は、一方的強制措置として具体的に、金融エンバーゴ(金融取引の停止など)、貿易制限、自国の法律を域外にも適用するロングアーム・ジャリスディクションなどを挙げました。
これらの措置は、国際的な経済・貿易・技術協力を深刻に妨げ、多国間の貿易体制と世界経済秩序に悪影響を与え、世界の産業と供給網の安定を大きく損なうと指摘しました。
さらに、一方的強制措置は世界的な食料危機やエネルギー危機を悪化させ、富の格差や南北間の分断を広げていると述べました。その結果、持続可能な開発のための2030アジェンダで掲げられた目標の実現が、より困難になっているとしています。
「法のジャングル化」への懸念と国際社会への呼びかけ
傅氏は、一部の西側諸国が一方的強制措置を「道具化」「武器化」し、「弱肉強食の論理」を正当化しようとしていると批判しました。これこそが、徹頭徹尾の一方主義、覇権主義、力の政治だと述べています。
そのうえで、こうした国々に対し、国連憲章と国際法を順守するという自らの約束を守り、すべての一方的強制措置を即時かつ無条件で、完全に撤廃するよう求めました。
また、国連加盟国やその他の国際機関に対しても、これらの違法な慣行に共同で反対し、一方的強制措置の対象となっている国々が直面する困難を和らげるために協力するよう呼びかけました。
グローバル・サウスの一員としての中国の立場
傅氏は、中国はグローバル・サウスの重要な一員であり、過去に一方的強制措置の被害を受けた経験を持つと位置づけました。そのうえで、中国は、国連を中心とする国際システムと国際法に基づく国際秩序を守ることにコミットしていると強調しました。
中国は関係国と協力し、より公正で公平な方向へとグローバル・ガバナンス(地球規模の統治)の発展を促し、人類全体の平和、安定、発展、繁栄を共に推進していくとしています。
12月4日「一方的強制措置反対国際デー」制定
国連総会は討論の後、毎年12月4日を「一方的強制措置反対国際デー」と定める決議を採択しました。
この国際デーの創設により、一方的強制措置が人権や開発、世界経済にもたらす影響に、国際的な注目が一段と集まりそうです。各国がどのような形でこの日を位置づけ、議論や行動につなげていくのかが、今後の焦点になっていきます。
問いかけ:主権尊重と人権擁護をどう両立させるか
一方的強制措置をめぐる議論の背景には、主権の尊重、国際法の順守、人権の保護といった価値のバランスをどう取るのかという難しい問いがあります。
国連総会での今回の議論と新たな国際デーの創設は、一方的強制措置に過度に頼らない形で紛争や人権問題に向き合う道筋を、国際社会がどのように描いていくのかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Chinese envoy calls for efforts to end unilateral coercive measures
cgtn.com








