中国の生物多様性を守る40年 写真家Xi Zhinongの使命
1983年から40年以上にわたり、中国の希少な野生動物を撮り続けてきた自然写真家、Xi Zhinong。雪に覆われた山脈から灼熱の砂漠、ぬかるむ湿地、濃いジャングルまで、過酷な環境を越えてきたその足跡は、2025年の今、生物多様性をどう守るかを問いかける国際ニュースの一つの象徴でもあります。
1983年、一台のカメラから始まった旅
Xi Zhinongが自然写真家として歩み始めたのは1983年のことです。カメラを手にした彼は、単に美しい風景を記録するのではなく、野生動物の姿を通じて自然保護の大切さを伝えることを自らの使命としてきました。
当時はまだ若い冒険家だった彼が選んだ道は、決して楽なものではありませんでした。しかし40年以上が経った今も、その使命感は揺らぐことなく続いています。
雪山から砂漠、湿地、ジャングルへ
彼がカメラを向けてきた舞台は、中国各地の多様な自然環境です。雪に覆われた山脈を越え、乾いた砂漠を歩き、足を取られる湿地を進み、視界のきかないジャングルの奥へ分け入ってきました。
そこで出会ったのは、中国でも特に希少な野生動物たちです。たとえば、雲南の金色の毛を持つサルとして知られるYunnan snub-nosed monkeys、岩場を静かに移動するsnow leopards、湖や湿地に舞い降りるblack-necked cranes、鮮やかな羽を広げるgreen peafowlなどです。
そうした動物たちの姿を間近でとらえた写真は、教科書やデータでは伝わりにくい、生き物としての存在感を私たちに伝えてくれます。
若き冒険家から、白髪のキャンペーナーへ
時が流れ、若き冒険家だったXi Zhinongは、今では白髪の混じるベテランのキャンペーナーになりました。それでもなお彼は、カメラを通して自然保護のメッセージを伝え続けています。
この40年以上、彼が続けてきたのは、ただ野生動物を記録することではありません。国の豊かな生物多様性を守る必要性を社会に伝え、人々の意識を少しずつ変えていくという、長い時間をかけた取り組みです。
一枚一枚の写真は、小さなきっかけに過ぎないかもしれません。しかし、その積み重ねが何十年にもわたり続いてきたからこそ、彼の活動には重みがあります。
写真が生む気づきと問い
国際ニュースの中で環境や気候変動、生物多様性の話題が増える今、写真の役割はますます重要になっています。Xi Zhinongの作品は、単なる美しい自然のカットではなく、見る人に問いを投げかける入口のような存在と言えます。
彼の写真を前にしたとき、多くの人が次のようなことを考えるかもしれません。
- この動物たちが暮らす森や湿地は、今どうなっているのか
- 人間の暮らしと、彼らの生息地との関係はどう変わってきたのか
- 自分の生活は、この遠い場所の自然とどこでつながっているのか
こうした問いは、すぐに答えが出るものではありません。それでも、日常のニュースチェックの合間にふと立ち止まり、考えるきっかけになることに意味があります。
2025年の私たちにできる小さな一歩
スマートフォン一つで世界中の情報や国際ニュースに触れられる2025年の私たちは、Xi Zhinongのように雪山やジャングルに分け入ることはなくても、別の形で自然保護に関わることができます。
- 自然や環境問題、生物多様性に関する記事や動画を、意識的に選んで見たり読んだりする
- SNSで心を動かされた写真や記事を、ひと言コメントを添えてシェアし、身近な人と話題にしてみる
- 自分の暮らす地域の川や公園、里山など、足元の自然に目を向けて、その変化を感じてみる
一人ひとりの行動は小さく見えますが、変化はいつも小さな気づきと対話から始まります。40年以上カメラを持ち続けてきたXi Zhinongの歩みは、長い時間をかけて続けることの意味を静かに教えてくれます。
私たちも日々のニュースの中で、自然と人間の関係に少しだけ敏感になってみる。そこから、新しい視点や会話が生まれていくのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








