台湾・屏東の「牡丹古謡」 消えかけた歌がよみがえるまで
台湾・屏東の伝統歌謡「牡丹古謡」は、失われかけた口承の歌を、楽譜と新しいアレンジでよみがえらせた取り組みとして、2025年の今あらためて注目されています。 台湾南部の屏東に伝わる「牡丹古謡(Peony Ancient Ballads)」は、Xinbaojiang や Shimen を含む四つの古謡体系を土台にした歌の文化です。世代から世代へ口頭で歌い継がれてきたため、長く正式な楽譜はほとんどありませんでした。 しかし近年、その多くが歌える人の高齢化とともに失われつつあり、「気づいたときには歌い手がいなくなっていた」という事態も現実味を帯びていました。 こうしたなかで、故・Bai Yongwu 氏が中心となって立ち上げた「Xinbaojiang 古謡クラス」は、牡丹古謡の復興に本格的に取り組んだ先駆的なグループだとされています。 彼らは、長年口承で受け継がれてきた古い旋律を一つ一つ採集し、体系的に楽譜に起こしました。そのうえで、現代の感覚も取り入れた新しい編曲に挑戦し、舞台や地域の場で発表していきました。 その結果、「絶滅の危機にある遺産」だった牡丹古謡は、「生きた継承」として再び地域の人びとの前に姿を現しつつあります。 古謡クラスのメンバーたちは、単に昔のメロディーを保存するだけでなく、「韻の美しさ」を取り戻すことを大切にしているといいます。 こうした要素を丁寧に意識しながら歌うことで、古謡は単なる昔話ではなく、いまを生きる私たちの感覚にも届く音楽としてよみがえります。 牡丹古謡は、台湾の歴史や暮らしの記憶を歌い込んだ作品でもあります。古謡クラスのメンバーは、その一曲一曲を通じて、「いま」の台湾の活気や多様性を表現しようとしています。 歌い手にとっては、祖父母や地域の年長者から教わったフレーズを、自分たちなりの解釈で歌い継ぐ行為そのものが、世代をつなぐ橋になります。聴き手にとっては、古い旋律の奥にある言葉やリズムを味わうことが、地域の歴史を学ぶ入り口になります。 台湾・屏東の一地域から始まった牡丹古謡の取り組みは、世界各地で進む無形文化の継承という課題とも響き合っています。 Xinbaojiang 古謡クラスの実践は、こうした問いに対する一つの答えを示していると言えるでしょう。 2025年を生きる私たちは、スマートフォンで世界中の音楽を数秒で再生できます。一方で、自分が暮らす土地の歌や物語について、どれだけ知っているでしょうか。 牡丹古謡の物語は、身近な場所の小さな歌に耳を澄ますことが、文化を守り育てる第一歩だと教えてくれます。台湾・屏東で起きているこの静かな変化は、私たち自身の足元を見つめ直すきっかけにもなりそうです。「牡丹古謡」とは何か
故・Bai Yongwu 氏と Xinbaojiang 古謡クラス
韻の美しさを取り戻す試み
古謡で語られる「いま」の台湾
ローカルな歌が持つグローバルな意味
私たちが受け取るべきメッセージ
Reference(s):
cgtn.com








