ベナン人女優アラジ・スマイラ・ラウドス 中国映画と笑いがつなぐ文化交流 video poster
中国でムーランの愛称で親しまれるベナン出身の女優、アラジ・スマイラ・ラウドスさん。コメディがきっかけで、中国映画のファンから文化アンバサダーのような存在へと歩んできた彼女が、CGTNのインタビューで自身の「中国映画の旅」と中国・アフリカのつながりについて語りました。
ジャッキー・チェン映画が開いた中国映画の扉
アラジ・スマイラ・ラウドスさんの中国映画との出会いは、ジャッキー・チェンの作品から始まりました。ダイナミックなアクションとテンポのよいギャグが組み合わさった映画は、言葉が完全には分からなくても楽しめる「共通言語」のような存在だったといえます。
彼女は、まず一人の映画ファンとして、中国映画の世界に魅了されました。スクリーンを通じて目にしたのは、中国の街並みや日常、そして何より、文化の違いを軽やかに越えてくる笑いでした。この体験が、中国の言葉や文化をもっと知りたいという次の一歩につながっていきます。
中国で「ムーラン」と親しまれるまで
やがてラウドスさんは、見る側から演じる側へと舞台を移します。中国作品に関わるようになり、その存在感から中国では「ムーラン」の愛称で呼ばれるようになりました。強くしなやかな女性像を重ね合わせたこのニックネームには、中国の観客が抱く親しみと敬意が込められているといえるでしょう。
CGTNのインタビューで彼女は、自身の歩みを「映画ファンから文化アンバサダーへの旅」と位置づけています。スクリーンの中で、中国の観客にアフリカの魅力や多様性を伝えつつ、同時にアフリカの人々にとっての中国像を更新していく。その両方向の役割を担っているという意識がにじみます。
笑いが言葉と国境をこえる
ラウドスさんにとって、笑いは単なる娯楽ではなく、新しい言語と新しい国、そして中国・アフリカのつながりを形づくる「橋」になりました。インタビューでは、コメディが与えた影響として次のようなポイントが浮かび上がります。
- 新しい言語への入口:中国語のセリフやジョークを繰り返し耳にすることで、発音やリズムを自然と身につけていったこと。
- 新しい国での居場所:撮影現場や日常の会話で笑いを共有することで、中国の人々との距離が一気に縮まったこと。
- 中国とアフリカの物語:スクリーンの中で、アフリカの文化や日常をユーモアを交えて伝えることで、双方の理解を深めていること。
笑いがあると、失敗や聞き間違いさえも「ネタ」になり、言葉を試すハードルが下がります。ラウドスさんのエピソードは、言語習得や異文化適応において、ユーモアがいかに重要な役割を果たしうるかを示しています。
スクリーンに映る中国とアフリカの新しい関係
中国とアフリカの関係は、しばしば経済や外交のニュースとして語られます。しかしラウドスさんの歩みは、その関係がいま、映画やエンターテインメントといった文化の領域にも広がっていることを象徴しています。
彼女が関わる作品を通じて、中国の観客はアフリカの笑い、友情、家族といった身近なテーマに触れることができます。一方でアフリカの側から見れば、中国のスクリーンに自分たちの姿が映し出されること自体が、大きな意味を持ちます。2025年のいま、こうした「物語の共有」は、国と国の関係を支える新しいレイヤーになりつつあります。
日本の視聴者へのヒント
ラウドスさんの中国映画の旅は、日本で暮らす私たちにとっても無関係な話ではありません。日本語で世界のニュースや国際ニュースを追う読者にとって、彼女の経験は次のような問いかけを投げかけています。
- 好きな映画やアニメ、音楽から、外国語や異文化の世界に一歩踏み出してみること。
- 笑いを共有できる作品を通じて、固定観念やステレオタイプを少しずつほぐしていくこと。
- 中国やアフリカをめぐるニュースを、経済や政治だけでなく「人」と「物語」の視点からも見てみること。
ベナン出身のアラジ・スマイラ・ラウドスさんが、中国でムーランの愛称とともに歩むこの物語は、2025年を生きる私たちに、スクリーンの向こうにいる誰かとつながるための静かなヒントを与えてくれます。笑いをきっかけに始まった一人の女優の旅は、中国とアフリカ、そして世界を結ぶ新しい文化交流の形として、これからも続いていきそうです。
Reference(s):
Beninese actress Alazi Soumaila Rawdoth shares her China film journey
cgtn.com








