アフリカ人デザイナーが中国市場へ 南アのシンディ氏、上海出店を模索
アフリカ発のファッションブランドが、中国市場で存在感を高めつつあります。南アフリカのデザイナー、トゥラ・シンディ氏らが今年、中国中部・湖南省長沙市で開かれた中国-アフリカ経済貿易博覧会(CAETE)に参加し、上海での出店を見据えた動きを本格化させています。
長沙の博覧会で存在感を示したアフリカブランド
シンディ氏は、ヨハネスブルクとプレトリアでセレクトショップ「AfricaRise(アフリカライズ)」を運営し、自身と他のアフリカ人デザイナーの作品を紹介しています。今回の博覧会には、その中から選りすぐりの作品を持ち込み、「Africa Reimagined(アフリカ・リイマジンド)」と題したファッションブースで展示しました。
これまでに何度か中国を訪れてきたシンディ氏は、次の一歩として上海での店舗開設を目標に掲げています。『アフリカのビジネスも、中国のビジネスがアフリカにあるのと同じように、中国に進出するべきだと思います。今こそ双方向で交換する時ですし、市場はその準備ができていると感じます』と話し、上海での出店に向けて関係者との協議を進めているといいます。
上海を選ぶ理由については「とてもコスモポリタン(国際的)で、中国への玄関口だと感じている」と説明。オンラインショッピングや配送、返品・交換といった物流面でも拠点にしやすいとし、「まだ多くのステップが残っているが、論理的な次の一歩だ」と意欲を見せています。
「スロー」で「タイムレス」なアフリカ流ファッション戦略
世界中でファストファッションが台頭し、トレンドが目まぐるしく変わる中で、シンディ氏はアフリカのブランドが目指す方向は違うと強調します。『私たちアフリカのデザイナーは、ユニークで、タイムレスで、特別なものを提供するために来ています。トレンドそのものと競争するのではなく、品質とデザインの確かさ、そして唯一無二であることを強みにしています』と語ります。
自らを「スローな生き物」と表現し、流行を追いかけるよりも、長く愛用できる一着をつくることに重きを置く姿勢が特徴です。大量生産・低価格ではなく、ストーリー性や職人技に価値を見いだす消費者に訴える戦略だと言えます。
中国市場と南ア市場の「似ているところ」
シンディ氏は、中国市場と南アフリカ市場には共通点が多いと見ています。『中国市場は私たち南アフリカの市場ととてもよく似ています。どちらも発展途上の地域であり、長い歴史を持ちつつ、自分たちにとっての現代性とは何かを再定義しているところです。ファッションはその模索を表現する大きな手段です』と述べます。
だからこそ、AfricaRiseのコレクションを長沙に持ち込み、中国の来場者とアフリカの独自性を共有したいと考えたといいます。アフリカの文化や感性を反映したデザインを通じて、中国の人々と「これからのモダンとは何か」を対話する試みとも言えます。
モノからカルチャーへ、中国-アフリカ関係の新しい一歩
今回の動きは、アフリカのクリエイターが中国の消費者に直接アプローチしようとする流れの一例です。資源やインフラだけでなく、ファッションやデザインといったカルチャーの分野でも、中国-アフリカ間の往来が深まりつつあることを示しています。
シンディ氏が掲げる「スロー」で「タイムレス」なものづくりは、価格や流行よりも、自分らしさや物語性を重視する人々にとって魅力的な選択肢になり得ます。上海を拠点にオンライン販売の体制が整えば、アフリカ発のファッションが中国各地の日常に溶け込む可能性も広がります。
アフリカのデザイナーが中国市場でどこまで存在感を発揮できるのか。その行方は、これからの中国-アフリカ関係を読み解く新しい手がかりになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








