キルギスの名監督「中国で映画を撮るのが夢」上海国際映画祭で最新作 video poster
2025年の上海国際映画祭で、キルギスの敬愛される映画監督アクタン・アリム・クバト氏の新作『Black, Red, Yellow』がプレミア上映され、権威ある金爵賞コンペティション部門に出品されました。クバト氏は中国の国際メディアCGTNのインタビューで、近年の中国映画市場の成長に注目し、「中国で映画を撮るのは私の夢です」と語っています。
審査員から出品監督へ、再び上海の舞台に
クバト氏は、2年前の上海国際映画祭では審査員を務めていました。今回はその同じ映画祭に、自身の最新作を携えて参加し、金爵賞を争う側として戻ってきた形です。映画祭と長く関わる監督が、審査員から出品者へと立場を変えて戻ることは、映画人としてのキャリアの厚みを物語ります。観客にとっても、「作品をどう見てほしいのか」という監督の視点をより強く感じられる機会になりそうです。
中国映画市場の成長に寄せる期待
インタビューの中でクバト氏は、近年の中国の興行収入の伸び、いわゆるボックスオフィスの好調ぶりに触れました。観客の関心が高まり、さまざまな作品が公開されるようになっていることは、世界の映画監督にとって大きなチャンスです。自分の作品がより多くの人の目に触れ、国境を越えて語られる可能性が広がるからです。急成長する市場を前に、外からやって来た監督が何を感じ、どんな物語を届けようとしているのかは、中国映画を国際的に捉えるうえで重要な視点と言えるでしょう。
「中国で映画を撮るのが夢」という言葉の重み
クバト氏はCGTNのインタビューで、「中国で映画を撮るのは私の夢です」と率直な思いを語りました。この言葉は、成長を続ける映画市場と、そこで育まれている観客文化への強い関心の表れとして受け取ることもできます。中国各地の風景や人々の日常、歴史や現在の姿を、キルギスの監督の目を通して描くとしたら、どのような映像世界が生まれるのでしょうか。異なる文化的背景を持つクリエイターが中国を舞台に作品を撮ることは、新しい視点から中国社会を見つめ直すきっかけにもなります。
アジアの映画交流がもたらすもの
今回の上海国際映画祭での動きは、アジアの映画交流がこれからどのように広がっていくのかを考えるヒントにもなります。キルギスのような中央アジアの国と中国の映画人が出会い、作品を通じて対話することで、互いの社会や価値観への理解が少しずつ深まっていきます。映画はしばしば、国際政治や経済の議論よりも柔らかい形で、国と国、人と人をつなぐ役割を果たします。アジア内部での協働や共同制作が増えれば、私たちがスクリーンで目にする物語も、より多様で立体的なものになっていくでしょう。
私たちが注目したいポイント
クバト氏の発言と『Black, Red, Yellow』の上海でのプレミアから、次のようなポイントが見えてきます。
- 急成長する中国映画市場は、世界の監督にとって作品を届ける重要な舞台になりつつあること
- 映画祭は、審査員と出品監督という異なる立場を通じて、長期的な関係を築く場にもなり得ること
- アジア各地の監督が中国を舞台に作品を撮ることで、新しい視点からの物語が生まれる可能性があること
今後、クバト氏が実際に中国でどのような映画作りに挑むのか、そして『Black, Red, Yellow』が金爵賞のレースの中でどのような評価を受けたのか、あるいは受けていくのかは、アジア映画の動向を追ううえで注目したいポイントです。日本の観客にとっても、アジアの映画人同士のコラボレーションに目を向けることで、新しい作品の楽しみ方が見えてくるかもしれません。
Reference(s):
Revered Kyrgyzstani filmmaker: 'Making a film in China is my dream'
cgtn.com








