中国で全国省エネ週間 青島発、エネルギー効率と低炭素を訴え
エネルギー効率と低炭素を前面に出した一週間
2025年6月、中国山東省青島市で全国省エネ週間(National Energy Efficiency Promotion Week)が開催されました。エネルギー効率の向上と低炭素社会づくりを掲げたこの取り組みは、34年にわたり続く中国の省エネ・脱炭素政策の象徴的なイベントです。
全国省エネ週間とは
2025年の全国省エネ週間は、6月23日から29日まで実施され、6月25日には全国低炭素デーが設けられました。期間中、国レベルと地方レベルの当局が連携し、エネルギー効率の向上や省エネの重要性を広く市民に伝えることがねらいでした。
- 期間:6月23日〜29日
- 全国低炭素デー:6月25日
- 開幕イベント開催地:山東省青島市
今年のテーマは、省エネと効率改善です。エネルギー消費を抑えつつ経済成長を維持する、いわゆるグリーン成長をどう実現するかに焦点が当てられました。
現場で行われた主な取り組み
全国省エネ週間では、次のような活動が展開されました。
- 省エネやエネルギー効率向上の成果を紹介する展示やフォーラム
- 環境負荷の少ない製品やサービスを紹介するグリーン消費の啓発
- デジタル技術を活用したエネルギー管理やスマートシティの事例紹介
- 学校やコミュニティでのワークショップなど、市民参加型のイベント
また、省エネとカーボン削減をテーマにした展示会が各地で開催され、企業や行政機関が最新の技術や取り組みを披露しました。デジタル技術によるエネルギーの見える化や、グリーンな消費行動を促す仕組みづくりが、重要なキーワードとなっています。
産業・建物・交通での省エネ強化
今年の全国省エネ週間では、特に次の三つの分野での取り組みが強調されました。
1. 産業部門のエネルギー効率向上
工場や発電所などエネルギー消費の大きい産業部門では、高効率設備の導入や運転の最適化など、省エネと効率改善につながる取り組みが重視されました。エネルギー使用量を可視化するデジタルツールの活用も、重要なテーマの一つです。
2. 建物の省エネとカーボン削減
オフィスビルや住宅など建物分野では、断熱性能の向上や高効率な空調設備の導入、エネルギー管理システムの活用などを通じて、省エネと排出削減を進める方向性が示されました。都市の脱炭素化には、建築分野での長期的な投資が欠かせません。
3. 交通分野のグリーン・低炭素化
交通部門では、公共交通の利用促進や電動車の普及など、グリーンで低炭素な移動手段への転換が焦点となりました。移動をいかに効率化し、エネルギー消費と排出を減らすかが問われています。
5周年と20周年が重なる節目
今回の全国省エネ週間は、中国のエネルギー・気候政策にとって節目のタイミングでもありました。
一つは、中国がカーボンピークとカーボンニュートラルの目標を掲げてから5周年を迎えたことです。温室効果ガスの排出量を一定の時点でピークアウトさせ、その後実質ゼロを目指すという長期ビジョンが、エネルギー政策の中核に位置づけられています。
もう一つは、エネルギー効率ラベリング制度が導入されてから20周年となったことです。家電製品などにエネルギー効率の等級を表示するこの仕組みは、消費者が省エネ性能の高い製品を選びやすくし、市場全体の効率改善を後押ししてきました。
34年続く取り組みが示すもの
中国では、全国省エネ週間が34年にわたって続いてきました。長期にわたるこの取り組みは、次のような役割を果たしてきたとされています。
- エネルギー効率の継続的な向上
- 環境負荷を抑えた持続可能な経済成長の推進
- 社会全体のグリーン転換を支える意識改革
毎年テーマを変えながら、省エネや低炭素を社会全体の共通課題として共有していくプロセスそのものが、エネルギー政策の重要な一部になっていると言えます。
日本の私たちにとっての示唆
中国の全国省エネ週間は、アジア最大級のエネルギー消費国がどのようにグリーン転換を進めようとしているのかを知る手がかりになります。日本の読者にとっては、次の三つの点が考えるヒントになりそうです。
- 政策と市民参加を組み合わせた、省エネキャンペーンのあり方
- デジタル技術を使ってエネルギー使用を見える化し、効率を高める発想
- 産業・建物・交通といった分野ごとの具体的な省エネの道筋
エネルギー価格の変動や気候危機が意識されるなかで、省エネや低炭素は一部の専門家だけの議題ではなく、日々の暮らしやビジネスの前提になりつつあります。中国で行われた全国省エネ週間の動きは、アジア全体のエネルギー転換の流れの一端として、これからも注視する必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








