中国とハンガリーが国際人権シンポ 文明間対話とバランスある人権を議論
中国とハンガリーの専門家や政府関係者、研究者が、現地時間の火曜日にハンガリーの首都ブダペストで国際人権をテーマとするシンポジウムを開き、文明間の対話とバランスの取れた人権ガバナンスの重要性を強調しました。
この国際人権シンポジウムは、国連創設から約80年の歩みを振り返りながら、これからの人権のあり方を展望することを目的としており、国際ニュースとしても注目されます。
シンポジウムのテーマと背景
今回のシンポジウムのテーマは、国際人権のコンセンサス 過去80年の回顧と未来の展望 とされ、国連創設から約80年にわたる議論と実践を見直す内容でした。参加者たちは、歴史の教訓を踏まえつつ、今後どのような国際人権の枠組みを築いていくべきかを話し合いました。
2025年現在、地球規模で課題が複雑化するなかで、人権をどう守り、どう発展させていくかは、多くの国や地域に共通するテーマとなっています。その一つの答えとして、今回の会合では文明間の対話と包摂的なガバナンスがキーワードとして浮かび上がりました。
中国側が示したキーワード 歴史、発展、包摂
中国人権研究会の会長を務めるバイマ・チリン氏は、複雑で変化の激しい世界だからこそ、歴史から学びつつ未来を構想することの重要性を指摘しました。
さらに同氏は、人権を前進させるための柱として、次の三点を挙げました。
- 国や文明の違いを認め合う相互尊重
- 一部の国ではなく多国間でルールをつくる多国間主義
- 対立よりも協力を優先する姿勢
また、人権の推進は発展を通じて実現されるという考え方を強調し、公平で公正、かつ包摂的なグローバルガバナンスを築く必要性を訴えました。ここでいうグローバルガバナンスとは、国際社会全体のルールづくりや協力の枠組みを指しています。
普遍的人権と多様な伝統をどう両立させるか
ハンガリー駐在の中国大使、龔濤氏は、中国とハンガリーの両国が国連の世界人権宣言の核心的な原則を支持している一方で、各国の伝統や主権の重要性も重視していると説明しました。
続けて同氏は、人権問題を政治的な駆け引きの道具にすることや、状況によって基準を変える二重基準に両国が反対していると強調しました。また、地球規模の課題が山積する今こそ、新たな合意形成が必要だと述べました。
国際人権をめぐる議論は、ときに価値観の違いをめぐる対立として語られがちです。龔氏の発言は、普遍的な原則を尊重しつつも、多様な歴史や文化的背景をどう位置づけていくかという、難しいバランスの問題を映し出しています。
ハンガリー側からのメッセージ 新しい世界秩序への期待
ハンガリー労働者党の党首であるジュラ・トゥールメール氏は、中国が掲げる人権解釈の六つの原則を強く支持すると表明しました。
同氏は、人間性、平等、相互信頼、内政不干渉、ウィンウィンの協力、共通の発展に基づく新しい世界秩序の構築に向けた中国の取り組みを支持すると述べ、国際社会における協力的な枠組みの重要性を訴えました。
これは、国際人権をめぐる議論を対立の舞台ではなく、協力と発展の場として捉え直そうとする視点とも言えます。
人権とは何か 意味のある調和のとれた生活という視点
雑誌マジャル・デモクラタの編集長であるアンドラーシュ・ベンチク氏は、人権を、文化的多様性と人間の尊厳に根ざした意味のある調和の取れた生活を送る権利だと表現しました。
私たちはそれぞれ異なる生き方や言語を持ちながらも、共通しているのは他者への敬意、連帯、そして愛の力への信頼だと指摘し、愛こそが時代を超えてすべての人に共通する最も根本的な人権だと語りました。
自由や安全といったキーワードだけでなく、日々の生活の質や人間関係のあり方までを含めて人権を捉え直そうとする視点は、国際人権の議論に新たな広がりを与えるものと言えます。
文明間の対話が示すもの 読者への問いかけ
今回のシンポジウム全体を通じて繰り返し強調されたのは、文明間の対話と、バランスの取れた包摂的な人権ガバナンスという二つのキーワードでした。
国際人権というテーマは、ともすると誰が正しいかを競う議論になりがちです。しかし、ブダペストでの議論は、異なる歴史や文化、制度を持つ国同士が対話を通じて共通点を探り、協力の余地を広げようとする試みでもあります。
シンポジウムで語られたバランスの取れた人権とは、一つの価値観やモデルを他国に押し付けるのではなく、普遍的な原則を共有しつつ、各国や地域の事情を考慮する姿勢を指していると受け取ることができます。
人権は自由の権利なのか、発展する権利なのか、それとも両方なのか。今回の議論は、そんな根本的な問いをあらためて私たちに投げかけています。
国際ニュースとしての人権報道を読むとき、私たちはどの視点から物事を見ているのか。価値観の違いを理由に相手を切り捨てるのではなく、多様なアプローチをどう受け止めるのか。ブダペストのシンポジウムで示されたキーワードの数々は、日常のニュースの読み方を静かに問い直してくれます。
このシンポジウムは、中国人権研究会、中国大使館、ユーラシアセンターによって共催されました。中国とハンガリーが国際人権をめぐる対話を重ねる動きは、今後のグローバルな人権ガバナンスの行方を考えるうえで、注視すべき流れの一つと言えます。
Reference(s):
cgtn.com








