中国沿岸部の演劇が熱い アラーニャ演劇祭「Sensibility and Sense」 video poster
2021年に創設された中国本土初の沿岸部演劇祭「アラーニャ演劇祭」が、今年6月19日から29日までの11日間にわたって開催されました。テーマは「Sensibility and Sense(感性と理性)」で、中国と世界から集まった最先端の舞台作品が披露されました。
アラーニャ演劇祭とは
Aranya Theater Festivalと呼ばれるアラーニャ演劇祭は、中国で初めての「国内の沿岸部で開かれる演劇祭」として2021年にスタートしました。海に近い環境で上演されること自体が、このフェスティバルの個性になっています。
日本から見るとまだなじみの薄い名前かもしれませんが、海辺のロケーションと新しい作品が出会う場として位置づけられており、中国本土の文化シーンの一端を知る窓口とも言えます。
今年のテーマ「Sensibility and Sense」
今年のアラーニャ演劇祭のテーマは「Sensibility and Sense」、直訳すれば「感性と理性」です。感情に訴えかける表現と、冷静な思考や構成力。この二つをどのように両立させるかという問いをフェスティバル全体が投げかけています。
デジタル技術が進み、AIも創作の現場に入りつつある今、「何を感じるか(Sensibility)」と「どう考えるか(Sense)」の関係は、演劇だけでなく私たちの日常にとっても重要なテーマです。海辺の空間で行われる演劇祭がこのキーワードを掲げたことは、2025年のアジアの文化の空気を象徴していると言えるでしょう。
観客に投げかけられる三つの問い
- 物語を理解する「理性」と、場の空気を感じ取る「感性」をどう行き来するか
- オンライン配信やSNSでは伝わりにくい「生の体験」は何か
- 異なる文化圏の作品を前にしたとき、自分の価値観をどう揺さぶられるか
中国と世界の「演劇の今」を映す場
アラーニャ演劇祭は、中国本土と世界各地から集まった作品を通じて、「演劇の今」をコンパクトに体験できる場でもあります。今年のフェスティバルでは、中国と海外のアーティストたちによる新しい試みが披露されました。
「Sensibility and Sense」というテーマのもと、中国本土と世界の舞台が同じ海辺の空間に並ぶことで、観客は異なるスタイルや価値観を比較しながら楽しむことができます。
アラーニャ演劇祭のような国際色のあるフェスティバルでは、次のようなタイプの作品がとくに注目されやすいと言われます。
- 観客が物語に入り込む「没入型」の演劇や、会場全体を使ったsite-specific(場所特有)の作品
- 映像や音響などデジタル技術を取り入れ、感性に訴える演出と論理的な構成を組み合わせた舞台
- 異なる国・地域のアーティストが共同制作する、言語や文化の壁を越えた作品
日本の観客にとっての意味
日本に暮らす私たちにとっても、アラーニャ演劇祭の動きは決して遠い話ではありません。中国本土と世界の演劇がどのように交わっているのかを知ることは、これからのアジア文化を考えるヒントになります。
- アジア発の作品が、ヨーロッパや北米とは異なる視点で「感性と理性」を表現している可能性
- 海辺という開放的な場で行うことで、都市型の劇場とは違う観劇体験が生まれていること
- 中国本土の若い観客がどのような作品に惹かれているのかを知る手がかりになること
SNS世代がチェックしたいポイント
スマートフォンでニュースや動画を追いかける世代にとっても、この11日間の演劇祭から学べるポイントはいくつもあります。
- テーマ「Sensibility and Sense」が示す、「感じる」と「考える」のバランスをどう自分の生活に当てはめるか
- 中国本土と世界のクリエイターが同じフェスティバルに集まり、互いにどんな影響を与えているのか
- 今後、日本や他のアジアの都市で開かれる演劇祭が、アラーニャ演劇祭とどう連動していくのか
2021年に始まったアラーニャ演劇祭は、今年の11日間の開催で、「感性と理性」という普遍的なテーマを通じて、中国本土と世界の演劇シーンをつなぐ役割を果たしました。短い休憩時間や通勤中のスマホの画面からでも、こうした動きを追いかけることで、私たちの日常の見え方も少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








