イタリア映画が上海で存在感 第27回上海国際映画祭で深まる中伊シネマ交流 video poster
中国本土の上海で開かれた第27回上海国際映画祭で、イタリア映画を特集する Italian Screens プログラムが開催されました。7本のイタリア映画が上映され、会場は笑いと拍手に包まれ、中伊の映画を通じた文化交流が一段と深まっています。
この記事のポイント
- 中国本土・上海の第27回上海国際映画祭でイタリア映画の特集プログラム Italian Screens が開催
- FolleMente や Il Nibbio など7作品が上映され、多様なジャンルで観客の心をつかむ
- Paola Cortellesi の作品 There’s Still Tomorrow が今年、中国本土で興行収入4500万元を記録し、中伊の映画交流が加速
上海で輝いた7本のイタリア映画
今回の上海国際映画祭では、Italian Screens プログラムとして7本のイタリア映画がラインナップされました。FolleMente や Il Nibbio など、ロマンティック・コメディから社会派ドラマまで幅広い作品がそろい、イタリア映画の豊かなストーリーテリングが紹介されました。
恋愛や家族、日常のささいな出来事をユーモアとペーソスで描くのは、イタリア映画の得意とするところです。今回のセレクションも、笑いと涙を織り交ぜながら、人間の弱さや優しさを丁寧に映し出す作品が中心となりました。
監督と観客が直接つながる場
FolleMente の上映後には、監督の Paolo Genovese が登壇し、観客とのトークイベントが行われました。Genovese 監督は、過去作の Perfect Strangers に触れながら「前作ではカップルが別れてしまうこともありましたが、今回は観客の皆さんに恋をしてほしい」と冗談を交えつつ語り、会場の笑いを誘いました。
その後の質疑応答では、中国本土の映画ファンから演出の意図や役作りについて次々と質問が飛び、イタリアの映画人との距離が一気に縮まった様子が伝わってきました。上映後の交流の時間は、言葉や文化の違いを越えて、作品を通じて心を通わせる場ともなっています。
Italian Screens が目指すもの
今回の特集上映を支えたのが、イタリアの映画振興プロジェクト Italian Screens です。イタリア映画局の Roberto Stabile 氏は「映画を通じて中国の観客にイタリアの魅力を味わってほしい」と語り、この取り組みへの期待を示しました。
Italian Screens は、年間約200万ユーロの基金を背景に、イタリア映画の海外展開を支援しています。1作品あたり最大5万ユーロを海外公開経費として拠出し、映画祭での上映や劇場公開、宣伝活動を後押しする仕組みです。これにより、日本を含む世界各地で、これまで届きにくかった中規模・小規模の作品にも光が当たりやすくなります。
数字で見る中伊シネマ交流
こうした取り組みは、すでに目に見える成果を生み始めています。Paola Cortellesi の監督作 There’s Still Tomorrow は、今年、中国本土の劇場公開で興行収入4500万元を記録しました。単館系の作品としては大きな数字であり、イタリア映画への関心の高まりを示す象徴的な例と言えます。
一度きりのヒットにとどまらず、観客がイタリア映画の語り口やユーモアに親しみを感じ始めているサインと見ることもできます。今後、Italian Screens を通じてさらに多様な作品が紹介されれば、中伊の観客同士が互いの社会や価値観を知るきっかけは増えていきそうです。
映画がつなぐ中伊の未来
2025年現在、動画配信サービスや国際映画祭を通じて、世界の映画はこれまで以上に身近な存在になりました。その中で、イタリア映画と中国本土の観客の距離が縮まっていることは、文化交流の新しい動きとして注目に値します。
映画は、政治や経済のニュースでは見えにくい、日々の暮らしや感情の細部を伝えるメディアです。家族の食卓で交わされる会話や、恋人同士のすれ違いといった普遍的なテーマを共有することで、離れた国同士でも共感が生まれます。
Italian Screens のような取り組みが広がれば、今後は共同制作や若手クリエイター同士の交流など、新たな形の協力も生まれてくるかもしれません。静かだが確かなシネマの対話が、中伊関係を下支えする一つの柱になっていくかどうか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
Italian films shine in Shanghai, boosting Sino-Italian cinematic ties
cgtn.com








