青島でSCO国防相会合 中国の董軍国防相が個別会談【国際ニュース】
2025年も終盤に差しかかるなか、今年6月末に中国の東部都市・青島で開かれた上海協力機構(SCO)国防相会合は、今あらためて振り返る価値のある国際ニュースです。中国の董軍国防相が複数のSCO関係者と個別会談を行い、多国間の防衛・安全保障協力をどのように進めるのかが示されました。
青島でのSCO国防相会合で何が話し合われたのか
今年6月の木曜日、中国の董軍国防相は、山東省青島市で、上海協力機構(SCO)の事務総長と、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、インドの国防相とそれぞれ個別に会談しました。いずれも青島で開催されたSCO国防相会合に出席していたメンバーです。
董国防相は、SCOが「真の多国間主義」を実践し、世界的な戦略的安定を守るうえで重要な力になっていると強調しました。そのうえで、地域の安全保障だけでなく、広く国際社会の安定に貢献する枠組みとしてSCOの役割を位置付けました。
董軍国防相が語った「真の多国間主義」とは
董国防相は、現在の国際環境について、一方主義(特定の国や主体だけの論理を優先する姿勢)、保護主義(自国の市場や産業を過度に守る政策)、覇権的行為(力による支配を目指す動き)が深刻な影響を与えていると指摘しました。
こうした動きに対抗するために、SCO加盟国が協力し、地域の繁栄と安定に「より大きな確実性とプラスのエネルギー」を注ぎ込む必要があると呼びかけた点が注目されます。ここで言う「真の多国間主義」とは、特定の国だけでなく、多くの国と地域が対等に参加し、ルール作りや安全保障の議論に関わるあり方を指していると言えます。
SCO加盟国が示した防衛・安全保障協力の方向性
青島で董国防相と会談したSCO関係者や各国の国防相は、SCOの枠組みの中で防衛・安全保障協力のレベルを一層高める意思を示しました。また、地域と世界の安全、安定、発展、繁栄を推進していくことへの支持も表明しました。
どのような協力が想定されるのか(一般的なイメージ)
今回の発言だけでは具体的な取り組みは示されていませんが、一般的にSCOのような枠組みで想定される協力には、次のようなものがあります。
- 防衛当局同士の対話やホットラインの整備など、誤解や偶発的な衝突を避けるための仕組みづくり
- テロ対策や国境警備など、共通の安全保障課題に関する情報共有や共同訓練
- 災害救援や人道支援など、軍事力を平時の危機対応に生かす分野での連携
こうした協力は、単に軍事力を高めるというより、「予測可能性」を高め、緊張のエスカレーションを防ぐ安全弁として機能することが期待されています。
今回のニュースから読み取れる3つのポイント
青島での一連の会談から、次のようなポイントを押さえておくことができます。
- SCOは、加盟国にとって安全保障対話と協力の重要な場になっていること
- 国際環境の中で、一方主義や保護主義への懸念が共有され、多国間での協調の必要性が強調されていること
- 防衛協力は、戦争抑止だけでなく、地域の発展や繁栄とも結びつけて語られていること
日本の読者にとっての意味合い
日本にいる私たちにとって、SCOはやや距離のある枠組みに見えるかもしれません。しかし、ユーラシア地域の安全保障や経済の動きは、エネルギーや物流、サプライチェーンなどを通じて、日本の暮らしとも間接的につながっています。
国際ニュースを日本語で追うとき、軍事会合というと構えてしまいがちですが、こうした防衛対話は、むしろ「衝突を防ぐためのコミュニケーションの場」としての側面も持っています。どの国が優位に立つかという視点だけでなく、「どうすれば緊張を管理し、予測可能性を高められるのか」という観点から読むことで、ニュースの見え方も変わってきます。
2025年が終わろうとする今、青島での会談は、多国間での対話と協力が依然として重要な選択肢であることを示しています。SCOをめぐる動きは、来年以降の国際秩序や地域安全保障を考えるうえでも、静かに注目しておきたいテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








