王毅外相がEU本部・ドイツ・フランス訪問 中国・EU関係50年の節目で戦略対話
中国の王毅外相が6月30日から7月6日にかけてEU本部、ドイツ、フランスを訪問し、中国・EU関係の50年を踏まえた戦略対話と人文交流を通じて、次の段階に向けた政治的な準備を進めました。本稿では、その概要と狙いを整理します。
EU本部・ドイツ・フランスを歴訪した王毅外相
中国外交部の発表によりますと、王毅外相は6月30日から7月6日までの欧州歴訪で、EU本部、ドイツ、フランスを順に訪問しました。今回の訪問は、EUの対外・安全保障政策上級代表カヤ・カラス氏、ドイツのヨハン・ヴァーデプフル外相、フランスのジャン=ノエル・バロ欧州・外務大臣の招きによるものとされています。
- ブリュッセルのEU本部で、第13回中国・EUハイレベル戦略対話を開催
- ドイツで、第8回中国・ドイツ外交・安全保障戦略対話を実施
- フランスで、外相会談と中国・フランス人文交流ハイレベル対話メカニズム会合に出席
EU本部での「第13回中国・EUハイレベル戦略対話」
ブリュッセルでは、王毅外相がEU本部を訪れ、第13回中国・EUハイレベル戦略対話に臨みました。中国側の説明によれば、この対話では、中国・EU関係と主要な国際・地域情勢について幅広く意見交換が行われました。
王毅外相は、50年にわたる中国・EU関係の歩みと成果を強調し、相互理解と信頼を高め、パートナーシップをいっそう強固なものにする考えを示したとされています。中国側は、協力のコンセンサスを広げる一方で、相違点を「適切に管理する」ことの重要性も強調しました。
ブリュッセル滞在中には、ベルギーのバルト・デウェーバー首相、マキシム・プレボー副首相兼外相ともそれぞれ会談し、EU本部での対話と合わせて、欧州側との幅広い意思疎通を図りました。
ドイツ・フランスで二国間関係を深める
ドイツ:外交・安全保障の戦略対話
ドイツ訪問では、ヨハン・ヴァーデプフル外相とともに、第8回中国・ドイツ外交・安全保障戦略対話を行いました。名称が示す通り、この対話は外交と安全保障の分野を中心に、両国の認識をすり合わせる場と位置づけられています。
中国外交部の郭家坤報道官によると、王毅外相は対話を通じて相互理解と信頼を高め、協力の余地を確認しつつ、立場の違いを冷静に管理する姿勢を示したと説明しています。
フランス:人文交流で関係に厚みを
フランスでは、ジャン=ノエル・バロ欧州・外務大臣との会談に加え、中国・フランス人文交流ハイレベル対話メカニズムの会合に出席しました。「人文交流」は、文化、教育、観光、学術など、人と人とのつながりを重視する分野を意味します。
こうした人文交流の枠組みは、政治・経済対話だけでは見えてこない相手国の社会や価値観への理解を深め、長期的な信頼関係を築くための土台となるとみられます。
「次のハイレベル往来」に向けた政治的準備
郭家坤報道官は、今回の欧州歴訪について「中国とEUの次の段階のハイレベルな往来に向けた政治的準備になる」と位置づけました。
中国側が示した訪問の目標は、大きく次のように整理できます。
- 中国・EU関係と国際・地域情勢について率直に意見交換する
- 50年の関係の成果を振り返り、パートナーシップを再確認する
- 相互理解と信頼を高め、協力のコンセンサスを広げる
- 意見の相違をエスカレートさせず「適切に管理」する枠組みを整える
地政学的な緊張や経済安全保障への関心が高まるなか、対話の場を維持し、共通の利益を探ることが、中国とEUの双方にとって重要な課題になっています。今回の王毅外相の訪問は、そうした「対話の回路」を確認し、次のハイレベル協議につなげるステップといえそうです。
読者の視点:対話の意味をどう考えるか
今回のニュースは、一見すると外交日程の紹介に見えますが、「違いがあっても対話を続けること」の意味を問いかけています。価値観や利害が必ずしも一致しない相手と、どのように関係を築いていくのか——。
国際ニュースを追う私たちにとっても、相手の立場や背景を理解しようとする姿勢を持てるかどうかは、身近な人間関係にも通じるテーマです。中国とEUの対話の行方を追いながら、自分自身のコミュニケーションのあり方を振り返ってみるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








