和歌山アドベンチャーワールドの4頭パンダ、中国へ帰郷 日本のパンダ時代に転機
2025年6月28日、和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で長年親しまれてきたジャイアントパンダ4頭が中国へ向けて旅立ちました。これにより、日本に残るジャイアントパンダは東京・上野動物園の2頭のみとなり、その2頭も2026年2月20日までに中国へ到着する予定です。日本の「パンダ時代」が大きな節目を迎えつつあります。
白浜の「ベテラン母さん」ラウヒンと3頭の娘たち
今回中国へ向かったのは、アドベンチャーワールドで生まれ育ったメスのラウヒン(24歳)と、その娘たちユイヒン(8歳)、サイヒン(6歳)、フウヒン(4歳)の4頭です。ラウヒンは同園で生まれた初めてのジャイアントパンダであり、園の歴史そのものを体現してきた存在でした。
ラウヒンは10頭もの子どもを育て上げた「ベテラン母さん」として知られ、多くの来園者が成長の記録を見守ってきました。親子でじゃれ合う姿や、娘たちがそれぞれの個性を見せる様子は、現地を訪れる人はもちろん、オンラインで動画や写真を見守る人々にとっても日常の癒やしの一部となっていました。
日本に残るのは上野動物園の2頭のみ
ラウヒン一家の旅立ちにより、日本国内で見られるジャイアントパンダは、東京・上野動物園にいる2頭のみとなりました。発表によると、この2頭も2026年2月20日までに中国へ到着する予定とされています。
上野動物園といえば、日本における「パンダ人気」の象徴的な存在です。その上野でも、現在いる2頭が予定どおり中国へ渡れば、日本でジャイアントパンダに会える機会はいったん途切れる可能性があります。動物園ファンや家族連れにとっては、大きな転換点となりそうです。
全国で広がる「ありがとう」と「さようなら」
アドベンチャーワールドの4頭の中国行きが発表された際、日本各地で大きな反響が広がりました。長年通い続けた人や、子どもの成長とともにパンダの成長を見守ってきた家族など、多くの人がそれぞれの「パンダとの思い出」を語っています。
- SNS上では、ラウヒン親子の写真や動画に「ありがとう」「また会える日まで」といったメッセージが相次いだとされています。
- 現地を訪れた人の中には、「子どもの頃に見たラウヒンを、自分の子どもにも見せることができた」と、世代をまたいだ思い出を振り返る声もあります。
こうした反応は、ジャイアントパンダが単なる人気動物を超え、「家族の記憶」や「地域の風景」の一部になっていたことを静かに物語っています。
中国へ戻るパンダたちが映すもの
今回のラウヒン一家の帰郷と、上野動物園の2頭の今後の予定は、日本と中国を行き来してきたジャイアントパンダの歴史の中でも、一つの区切りといえます。日本の動物園にとって、パンダは来園者を惹きつける存在であると同時に、国際的なつながりを身近に感じさせる存在でもありました。
2025年12月の今、すでに中国へ渡ったラウヒン親子の姿を日本で見ることはできませんが、多くの人にとって、その存在は写真や動画、そして記憶の中に残り続けます。上野動物園の2頭の行方とあわせて、日本のパンダとの付き合い方が今後どのように変化していくのか、静かに注目が集まっています。
「パンダロス」の先にある問い
4頭の旅立ちと日本でのパンダ減少は、「パンダロス」ともいえる寂しさをもたらす一方で、私たちにいくつかの問いも投げかけています。動物園で動物を見る意味は何か、動物との距離感をどう考えるのか、そして国境を越えて動物が行き来することの重みをどう受け止めるのか――。
アドベンチャーワールドのラウヒン一家は、その穏やかな姿を通じて、多くの人に笑顔と癒やしを届けてきました。4頭の中国での新しい生活を願いながら、日本で育まれてきたパンダとの時間を、あらためて振り返るタイミングに来ているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








