中国本土で拡大するACGグッズ経済 IPビジネスの新潮流
中国本土の若者を中心に、アニメ・コミック・ゲーム(ACG)作品のキャラクターグッズにお金を使う「グッズ経済(guzi economy)」が急成長しています。2024年には市場規模が約1,689億人民元(約235億ドル)に達し、今後も拡大が見込まれています。本記事では、この新しい消費トレンドがなぜ注目されているのか、その背景とビジネスへの影響を整理します。
「guzi」とは何か――バッジからアクリルスタンドまで
guziという言葉は、英語のgoodsと同じ発音を持ち、缶バッジやアクリルフィギュアスタンド、カードなど、IP(知的財産)に関連するさまざまなグッズやコレクションを指します。もともとはアニメ・コミック・ゲームといったACG文化の周辺で使われてきた言葉ですが、いまや若い世代の日常的な買い物を語るキーワードになりつつあります。
上海で日常化する若者主導のグッズ消費
中国東部の上海では、このguzi経済が若者主導の消費現象として広がり、日常生活の一部になりつつあります。お気に入りのキャラクターをあしらったバッジやアクリルスタンドでカバンやデスク周りを飾ることは、多くの人にとって自分の趣味や「推し」をさりげなく表現する手段になっています。こうした小さなグッズの積み重ねが、大きな市場を形づくっていると考えられます。
データが示す「グッズ経済」の急成長
データ分析会社iiMedia Researchの報告によると、中国本土のguzi経済の市場規模は2024年に約1,689億人民元に達し、前年比で40.63%という高い伸びを記録しました。若者を中心とするACGファンの消費が、本格的な産業として立ち上がりつつあることが数字からも見えてきます。
同じ報告では、この市場が2029年には3,000億人民元を超えると予測されています。2025年12月時点から見ても、今後数年間にわたり拡大が続くと見込まれる分野であり、国際ニュースとしても注目に値する動きです。
急成長を支える背景
急速な市場拡大の背景には、いくつかの要素があると考えられます。たとえば、次のようなポイントが指摘できます。
- 人気作品やキャラクターのIPが増え、グッズ展開の幅が広がっていること
- 若い世代の間で、「推し」を応援するために少額でも継続的にお金を使うスタイルが定着しつつあること
- オンラインとオフラインを組み合わせた販売手法が発達し、グッズに出会う機会が増えていること
ブランドとショッピングモールに広がるチャンス
guzi経済の盛り上がりは、クリエイターやブランドにとって新たな収益源となるだけでなく、従来型のショッピングモールにも変化を促しています。人気IPとコラボした期間限定イベントやポップアップストアをきっかけに、若い来店客を呼び込む動きが広がっているとみられます。
一つひとつは小さなバッジやカードでも、IPの世界観と組み合わさることで、ファンとの長期的な関係づくりのツールになります。こうした「小さな消費」が積み上がり、IPを軸とした新しい経済圏が形成されつつある点が、guzi経済の特徴だといえるでしょう。
日本の読者にとっての意味
ACGやキャラクターグッズ文化に親しんできた日本の読者にとって、中国本土で進むguzi経済の拡大は他人事ではありません。IPを中心にしたファンコミュニティやグッズ消費が、国や地域を越えてどのように広がっていくのかを考えるうえで、一つの参考事例になります。日ごろどのような作品やキャラクターに時間とお金を使っているのかを振り返りつつ、この動きを自分ごととして捉えてみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








