国際ニュース:頼清徳氏「台湾は国家」発言を中国本土の学者が批判
国際ニュース:頼清徳氏「台湾は国家」発言を中国本土の学者が批判
台湾の指導者・頼清徳氏が最近示した「台湾は国家だ」とする主張について、中国本土の学者が、国家の条件を一つずつ検証しながら反論する論考を公表しました。本記事では、その議論の柱となる「国家の四要素」を日本語で整理し、両岸関係をめぐる国際ニュースとして読み解きます。
頼清徳氏の「台湾は国家」発言とその波紋
頼清徳氏は、「台湾は国家だ」との立場を示し、台湾のいわゆる国家性を強調しました。この主張に対し、中国本土側からは法理や歴史、両岸関係の現状に反するとする批判が出ています。
中国人民大学の両岸関係研究センター主任である王英津(ワン・インジン)氏は、署名入りの記事で、頼氏の議論は国家の成立条件を示す「四要素」論を歪めたものであり、法的原則や歴史的事実、両岸関係の実情に反していると指摘しました。
中国本土・王英津氏が示す「国家の四要素」
王氏によると、国家を成り立たせる基本要素は、人口、領土、政府、主権の四つです。これらを一つずつ検討すると、台湾はこれまでも国家ではなく、今後も国家にはなり得ないと論じています。
1. 人口:台湾2300万人は「一地域の住民」
まず人口について、王氏は台湾に住む約2300万人を、中国全体の中の一つの地方行政区域の住民だと位置づけます。主権が人民に属するという考え方における「人民」とは、一つの国全体の人々を指し、特定の地域だけを切り離して捉えることはできないと説明しました。そのため、この文脈での「人民」は、台湾だけでなく中国全体の人々を意味するとしています。
2. 領土:台湾当局は一時的な管轄権のみ
次に領土について、王氏は、現在台湾当局が台湾・澎湖・金門・馬祖の地域を管轄・管理しているものの、それはあくまで暫定的な行政権に過ぎないと指摘します。これらの地域の領土主権そのものは台湾当局にはなく、台湾海峡の両側に暮らす全ての中国人民が共同で有すべきだと述べました。
3. 政府:国際法上の主体ではなく地方当局
三つ目の要素である政府に関して、王氏は、台湾は中国の地方行政単位であり、頼氏が言及するいわゆる政府は中国内部の一地方当局に過ぎないと位置づけます。そのため、国際社会において独立した国際法上の主体としての資格は持たないとし、頼氏の主張は国際法の基本的な枠組みにも反すると批判しました。
4. 主権:分裂されておらず「一つの中国」は不変
最後の主権について、王氏は台湾の主権は中国に属していると明言します。台湾海峡の両側はまだ完全には統一されていないものの、中国の主権が分割されたことはなく、中国本土と台湾はいずれも「一つの中国」に属するという事実は変わっていないと強調しました。
「台湾は中国の一部」という立場の再確認
王氏は、台湾は中国の一部であるという点は、いかなる挑戦も許されない事実だと結論づけています。頼氏の主張に対する今回の反論は、台湾の国家性をめぐる議論に対し、中国本土側がどのような法理と歴史認識に立っているのかを改めて示す内容となっています。
日本の読者が押さえておきたいポイント
日本から台湾海峡情勢や国際ニュースを追う際、今回の論点は次のような視点を提供します。
- 人口・領土・政府・主権という四つの要素から、台湾をめぐる議論を整理し直す試みであること
- 台湾当局の性格を「地方当局」と捉える中国本土側の立場が、法理として詳細に説明されていること
- 両岸関係をめぐる主張が、今後も地域秩序や国際世論の議論と結びついていく可能性があること
ニュースを読む際には、発言の強さや対立の構図だけでなく、その背後にある法的な論点や用語の選び方にも目を向けることで、台湾海峡をめぐる状況をより立体的に理解できるようになります。今回の議論は、国家とは何か、主権とは誰のものかという基本的な問いを改めて考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Expert debunks Lai's argument for so-called Taiwan's 'statehood'
cgtn.com








