香港の自然を歩く:摩天楼の裏に広がるもう一つの景色
国際ニュースでおなじみの香港特別行政区の摩天楼。そのすぐ裏側に、牛やサギ、サルやイモリが暮らす多様な自然が広がっていることをご存じでしょうか。都市と野生生物が共に息づく姿は、2025年の今、アジアの大都市のあり方を考えるヒントにもなります。
高層ビルのすぐ裏にある「もう一つの香港」
香港というと、まず思い浮かぶのは高くそびえるビル群とネオンの夜景です。しかし、そのアイコニックなスカイラインの背後には、起伏のある丘陵と森林が広がり、そこでは放牧された牛がゆっくりと草を食み、森の小道をサギの仲間が並んで歩いています。
人の行き交う通りから少し離れるだけで、牛の足元を飛び回るサギを目にし、土や草木の匂いを感じる静かなトレイルに出会います。都市のすぐとなりに、こうした牧歌的な風景が連なっていること自体が、香港という都市のもう一つの顔を物語っています。
海辺の森で出会うサルとイモリ
香港の自然は丘だけではありません。海沿いには、潮風を受けながら育つ木々がつくる沿岸の森があり、そこをマカクなどサルの仲間が行き来しています。枝から枝へと移動するサルの姿のすぐ近くには、水辺を好むイボのあるイモリの仲間がひっそりと暮らしています。
一見すると、人と車であふれるアジア有数の都市ですが、そのすぐ外縁には、海と森が重なり合う環境の中で、多様な動物たちが生活しています。こうした沿岸の森林は、都市生活者にとっての憩いの場であると同時に、野生生物にとっても重要な住処となっています。
アジア有数の大都市と生態系の共生
香港特別行政区は、アジアでも特に忙しい都市の一つとされています。その一方で、牛、サギ、サル、イモリといった野生生物が暮らす環境が残されており、都市と自然が近い距離で共存しています。
この風景は、都市化が進むアジアにとって次のような問いを投げかけます。
- 都市開発を進めながら、どのように多様な生態系を守り続けるか。
- 大都市に生きる人々の暮らしと、野生生物の生活空間をどう両立させるか。
- 自然が都市のすぐそばにあることが、人々の心身の健康にどう寄与するのか。
香港の隠れた生態系は、自然の側が都市に「適応」しながらも、たくましく生き抜いていることを示しています。同時に、人の側も自然との距離感を調整し、共存を模索してきたことがうかがえます。
香港から見えてくる、これからの都市像
摩天楼のすぐ裏に牛が歩き、サルやイモリが暮らす香港の風景は、「都市」と「自然」を切り離して考えてきた従来のイメージを静かに揺さぶります。香港のように、自然とともにある都市の姿は、これからのアジアの大都市にとって一つの参考例になるかもしれません。
私たちが暮らす都市でも、足元をよく見てみると、小さな緑地や水辺に生き物が集まっていることがあります。香港の隠れた生態系に目を向けることは、身近な街の自然を見直し、都市の未来像を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








