中国本土の研究者がショウジョウバエの一生を解読 3D細胞地図で発生を可視化
ショウジョウバエの卵から成虫までの全発生過程を、単一細胞レベルで立体的に描き出した研究成果が、中国本土の研究チームから報告されました。発生異常や病気のメカニズム解明につながる可能性があり、生命科学の国際ニュースとして注目されています。
何が明らかになったのか
杭州に拠点を置くBGI Researchと、深圳のサザン・ユニバーシティ・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジーの共同研究チームは、ショウジョウバエの一生を通じて全身の単一細胞を追跡し、3D時空間マルチオミクスアトラスと呼ばれる包括的な地図を構築しました。この地図により、生物がどのように発生し、形づくられていくのかを分子レベルで読み解くことができます。
3D時空間マルチオミクスアトラスとは
3D時空間マルチオミクスアトラスとは、時間の流れと立体的な位置情報を含んだ細胞の詳細な地図のことです。単一細胞ごとに、いつ(時間)、どこに(場所)存在し、どのような分子情報を持つかを、多層的に記録していきます。こうしたアトラスを通して、細胞がどのように状態を変え、組織や器官をつくっていくかを連続的に追うことができます。
発生異常と病気研究への期待
研究チームによると、このブレークスルーは、発生過程で起きる異常や、それに関連する病気のメカニズム研究を前進させることが期待されています。正常な発生の分子レベルでの「教科書」があれば、どの段階で、どの細胞のふるまいがずれたときに問題が起きるのかを、より精密に調べることができるようになります。
将来的には、発生に関わる遺伝性の疾患や、細胞の成り立ちが影響するさまざまな病気について、新しい診断や治療法のヒントが得られる可能性があります。
中国本土の研究機関による国際誌での発表
今回の成果は、中国本土の杭州にあるBGI Researchと、深圳のサザン・ユニバーシティ・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジーによる共同研究として、国際的な科学雑誌Cellに掲載されました。中国本土発の生命科学研究が、国際的な場で存在感を高めていることを示す一例といえます。
ニュースをどう受け止めるか
今回のショウジョウバエの地図づくりは、すぐに私たちの日常生活が変わるようなニュースではないかもしれません。しかし、生物の発生を分子レベルで理解することは、多くの病気の根本原因にせまるための基盤づくりでもあります。
国際ニュースとしての生命科学の動きを追うことで、「今、どこで、どのような知が生まれているのか」を把握し、自分たちの健康観や未来の医療について考えるきっかけにしていきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








