中国とモザンビーク 国交樹立50年とこれからの協力
2025年6月25日、モザンビークの独立50周年と、中国とモザンビークの国交樹立50周年という節目の年を迎えました。この半世紀で両国は、農業、教育、インフラなど幅広い分野で協力を重ね、途上国同士の連携モデルとして注目されています。本記事では、モザンビークの政治アナリスト、ジル・アニバル氏が番組「China Africa Talk」で語った内容をもとに、二国間関係の歩みとこれからを整理します。
インフラに刻まれた「いつもそばにいる」関係
アニバル氏は、過去50年の中国・モザンビーク関係を「非常に前向きで高い水準にある」と評価し、「中国は常に我々と共にある」と表現しました。中国はモザンビークの独立闘争への支援に加え、政治、経済、社会など多方面で関係を深めてきたといいます。
その象徴として挙げられるのが、首都マプト周辺の道路網や橋梁です。中国の支援で整備されたマプト環状道路や、アフリカ最大級の双塔式つり橋とされるマプト–カテンベ橋は、インフラ協力の代表例とされています。また、中国企業は水素炭化水素やエネルギー分野にも関与しており、経済協力の裾野は広がっています。
農業協力:技術と研修で生活を底上げ
モザンビークでは、農業は憲法にも位置づけられた発展の柱です。こうした中で、中国が支援する農業分野の協力は、同国の経済成長と農村の生活向上に直接結びついているとアニバル氏は指摘します。
なかでも、中国・モザンビーク農業技術実証センターは、両国協力の目に見える成果とされています。このセンターでは、農作物や栽培方法に関する実験が行われているほか、現地農家向けの研修も実施されており、技術習得を通じて農家の収入と暮らしの改善に貢献しているといいます。
ゼロ関税と産業育成:貿易の次のステージ
モザンビーク産品の対中輸出は、昨年12月からゼロ関税の対象となりました。中国はこのゼロ関税措置を、アフリカ33か国から53か国へと拡大する方針も示しています。アニバル氏は、この政策を「関係をさらに前に進める、とても良い政策」だとし、次のような期待を語ります。
- 中国企業がモザンビーク国内で工業生産拠点を築き、現地雇用を生み出すこと
- 一次産品の加工を通じて付加価値を高め、中国などへの輸出競争力を強化すること
特に同氏は、多くの公共交通機関で中国製の車両が使われている現状を踏まえ、モザンビークに自動車製造拠点ができればと期待を寄せています。
また、モザンビーク政府は燃料への依存を減らし、天然ガスや地熱などを活用するエネルギー転換を進めようとしています。この分野でも中国が重要な役割を果たしうるとアニバル氏は見ています。
言語教育と人の往来:協力の「土台」をつくる
今後の協力でカギを握るのは、人と人との交流だとアニバル氏は強調します。モザンビークには多くの中国人コミュニティがあり、両国の人々が日常的に関わっています。
モザンビーク政府は、大学など高等教育機関で中国語教育を導入する構想も打ち出しており、アニバル氏はこれを非常に良い一歩と評価します。取引や投資の前提として、まず相互理解があり、そのためには言語が不可欠だという考え方です。
実際に、ポルトガル語を話す中国人が増える一方で、中国語を話すモザンビークの人々も増えており、人的交流の基盤は着実に広がっています。アニバル氏は今後、観光や安全保障分野でも協力の余地があると指摘しています。
途上国同士の協力モデルとして
独立と国交樹立から50年を経た中国とモザンビークの関係は、インフラから農業、貿易、エネルギー、人材交流まで、多層的なパートナーシップへと発展してきました。今年の節目は、これまでの成果を振り返ると同時に、次の50年をどう形づくるかを考えるタイミングでもあります。
アフリカとアジアのあいだで、どのような協力が双方にとって持続可能で、地域全体の安定と発展につながるのか。こうした国際ニュースに注目しながら、私たち一人ひとりも、途上国同士のパートナーシップのあり方を考えてみる必要がありそうです。
Reference(s):
Celebrating 50 years of diplomatic ties between China and Mozambique
cgtn.com








