香港の元ファッションデザイナーが国際幼稚園の園長に グレーターベイエリアで見つけた新しい生き方 video poster
香港出身のコール・ホンさんは、かつてファッションデザイナーとして活動していましたが、今ではグレーターベイエリアの国際幼稚園で園長を務めています。ファッションから教育へという大きな転身は、「自分の子どもも、ほかの子どもも同じように大切にする」という思いを体現する生き方そのものになっています。
ファッションから教育へ──人生を変えた決断
キャリアの中心にあったのは、香港でのファッションデザインの仕事でした。しかしホンさんは、子どもと向き合う教育の世界へと舵を切り、現在は国際幼稚園の園長として日々子どもたちと向き合っています。
華やかなファッション業界から教育現場への転身は、一見するとまったく別の世界への挑戦に見えます。それでも彼女の歩みは、デザインの仕事で培った「感性」や「人への想像力」が、教育の場でも生かせることを示しているようです。
彼女の現在の暮らしぶりは、英語でいう “Caring for your own children and those of others”──「自分の子だけでなく、ほかの子も思いやる」という姿勢を体現するものだといえます。
グレーターベイエリアで育まれた10年の多文化教育
ホンさんは、この10年あまりをグレーターベイエリアの教育現場で過ごしてきました。そこでは、言語も文化的背景も異なる子どもたちが同じ教室で学び、遊び、成長していきます。その経験が、彼女に多文化教育についての深い洞察を与えてきました。
多文化教育とは、単に複数の国や地域の子どもたちが集まる場をつくることではありません。異なる文化や価値観を「違い」として線を引くのではなく、「学び合う資源」として受け止める姿勢が問われます。
例えば、次のような小さな工夫が、子どもたちの視野を自然に広げていきます。
- 複数の言語であいさつを交わす時間をつくる
- それぞれの家庭の習慣や行事について、子ども自身に話してもらう
- 教室の掲示物や絵本に、さまざまな文化圏のイメージを取り入れる
こうした積み重ねの中で、子どもたちは「どの文化が正しいか」ではなく、「違うことが当たり前」という感覚を身につけていきます。ホンさんの10年にわたる実践は、そのプロセスを現場から見つめてきた時間でもありました。
家族にとっての「安心して暮らせる環境」
グレーターベイエリアは、彼女にとって仕事の場であると同時に、家族にとって暮らしの拠点でもあります。教育に携わりながら、家族とともに「安心して、肩の力を抜いて暮らせる環境」を見いだしてきたといいます。
子どもの教育、生活コスト、通勤時間、周辺のコミュニティ。どこに住み、どこで働くかを考えるとき、これらは多くの人にとって共通のテーマです。ホンさんの選択は、キャリアと子育て、そして暮らしやすさをどう両立させるかという問いに対する、ひとつの答えになっています。
「越境するキャリア」が教えてくれること
ファッションから教育へ、香港からグレーターベイエリアへ──ホンさんの歩みは、専門分野や地域の境界を越える「越境キャリア」の一例といえます。
いま、働き方や生き方の選択肢が多様化する中で、私たちが彼女のストーリーから受け取れる問いは次のようなものかもしれません。
- 自分のスキルや経験を、まったく別の分野で生かすとしたらどこだろうか
- 仕事と家族の暮らしのバランスを考えたとき、自分にとって大切な条件は何か
- 異なる文化や価値観の中に身を置くことは、自分や家族にどんな変化をもたらすか
国際ニュースや経済の動きとして語られることの多いグレーターベイエリアですが、そこには一人ひとりの生活や選択があります。コール・ホンさんの10年にわたる教育の歩みは、その中のひとつの物語として、キャリアや子育てについて考える私たちに静かに問いを投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








