韓正国家副主席「世界平和と共同繁栄へ」清華大フォーラムで協力呼びかけ
国際情勢の不確実性が増すなか、中国の韓正国家副主席が北京の清華大学で開かれた第13回世界平和フォーラムの開幕式で演説し、世界平和と共同繁栄に向けた中国の役割拡大への意欲を強調しました。
中国は世界平和と共同繁栄の促進に貢献する用意
韓正国家副主席は、世界が「深く加速する変化」のただ中にあり、不確実性の高まりや地域・国際レベルでの緊張が頻発していると指摘しました。そのうえで、中国は各国と協力して世界平和を守り、共通の繁栄を実現する用意があると述べました。
今回の演説は、北京の清華大学で開かれた第13回世界平和フォーラムの開幕式で行われたもので、韓氏は中国の立場や構想を体系的に示しました。
加速する変化の中で示された「中国の提案」
韓氏は、こうした国際環境の変化に対応するため、習近平国家主席が打ち出している一連の重要な構想に言及しました。
- 人類運命共同体の構築というビジョン
- グローバル発展イニシアティブ
- グローバル安全保障イニシアティブ
- グローバル文明イニシアティブ
韓氏は、これらの構想が地球規模課題に対する「中国の解決策」を提示するものであり、世界の平和、発展、安全、文明の課題に包括的に応えようとするものだと位置づけました。
戦後80年の節目と国連中心の国際秩序
韓氏は、2025年が中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利、そして国際連合の創設から80年となる節目の年であると強調しました。そのうえで、歴史から教訓をくみ取り、戦後の国際秩序を共に守る必要性を訴えました。
具体的には、次のような点を重視するよう呼びかけました。
- 国連を中心とする国際システムへの揺るぎない支持
- 国連憲章に基づく国際法と国際関係の基本原則の尊重
韓氏は、こうした枠組みを守ることが、世界の平和と安定を維持するうえで不可欠だと述べました。
連帯と「真の多国間主義」を強調
韓氏はまた、国際社会が連帯と調整を強め、「真の多国間主義」を堅持することの重要性を強調しました。
各国が相互尊重と対等な協議を通じて、公平でより効果的なグローバル・ガバナンス(世界的なルール作りと運営)の仕組みを築いていくべきだとし、多国間協力の枠組みを活用しながら課題解決を図る姿勢を示しました。
開放性と協力、包摂的な経済成長を重視
経済分野については、開かれた協力の姿勢を維持することが不可欠だと訴えました。韓氏は、安定的で開放的な国際環境の下でこそ、包摂的な経済成長が可能になるとし、次のような点を挙げました。
- 多角的な貿易体制を守り強化すること
- グローバルな産業・サプライチェーン(供給網)の円滑な運営を確保すること
これらを通じて、各国が互いに利益を分かち合える経済環境を整える必要があるとしました。
現代化の道での相互支援と途上国への配慮
韓氏はさらに、各国がそれぞれの「現代化」の道を歩むうえで互いに助け合うべきだと述べました。その際、開発を国際アジェンダ(優先課題)の中心に据えることが重要だと指摘しました。
特に、開発途上国の関心やニーズに応えることによって、国際社会における不平等や不均衡を是正していく必要があるとし、包摂的な発展をめざす姿勢を示しました。
約400人が参加、対話の場としての世界平和フォーラム
今回の世界平和フォーラムには、約400人の参加者が集まりました。参加者には、日本の鳩山由紀夫元首相、ベルギーのヘルマン・ファン・ロンパイ元首相で欧州理事会前議長のほか、多くの外国の外交官や、中国内外の研究者が含まれています。
多様な立場の専門家や実務家が一堂に会したこのフォーラムは、国際社会が直面する安全保障や発展の課題について、対話と協議を通じて理解を深める場となりました。
読者にとってのポイント
今回の韓副主席の演説は、日本を含む国際社会にとって、次のような点で注目すべき内容だと言えます。
- 戦後80年という節目の年に、中国が国連中心の国際秩序をどのように位置づけているか
- 平和や発展、安全保障、文明交流をめぐる地球規模課題に対し、中国がどのような協力の枠組みを提案しているか
- 多国間協力、開かれた貿易体制、安定したサプライチェーンの維持が、私たちの日常の経済活動や生活にもどのようにつながっていくか
国際ニュースを追ううえで、こうしたメッセージがどのように具体的な政策や各国間の協力に反映されていくのかを継続的に見ていくことが、これからの世界の動きを理解する手がかりになりそうです。
Reference(s):
Han Zheng: China ready to promote global peace and prosperity
cgtn.com







