北京・Yuan Dadu City Wall Ruins Park 緑のリボンでたどる城壁の記憶 video poster
北京の幹線道路に囲まれた Yuan Dadu City Wall Ruins Park(別名 Tucheng、Earth Wall Park)は、忙しい都市生活のなかで過去を静かにたどれる「緑のリボン」のような公園です。本記事では、この場所から見える北京の今と、都市における歴史と自然の共存について考えます。
北京の喧騒のただ中にある「静かな退避場所」
Yuan Dadu City Wall Ruins Park は、文字通り北京のにぎやかな道路に寄り添うように伸びています。車の流れや人の往来が絶えないエリアにありながら、一歩公園に入ると、音のトーンがふっと変わり、空気が柔らかく感じられるようなイメージです。
舗装された道路と土の道、街路樹と古い土の壁。こうしたコントラストが、「都市」と「自然」、「現在」と「過去」を同じフレームに収めています。大きな国際ニュースの見出しにはなりにくい場所ですが、都市の表情を知るうえでは、こうした空間こそがヒントになります。
「緑のリボン」でたどる城壁の記憶
この公園の英語タイトルには「City Wall Ruins Park」とあります。名前のとおり、かつての城壁の跡が、いまは細長い緑地として残されています。まるで地図の上に引かれた線が、そのまま現代の都市空間の「緑のリボン」に変わったかのようです。
別名の「Tucheng(Earth Wall Park)」が示すように、土の高まりや壁のイメージが重なります。整った記念碑というよりも、時間に磨かれた土の質感や、そこに根を張る草木が、過去の存在を静かに語っているような場所だといえます。
歩くスピードで感じる北京の過去と現在
幹線道路を車で通り過ぎるとき、私たちは都市を「点」としてしか捉えにくくなります。一方で、Yuan Dadu City Wall Ruins Park のような細長い公園を歩くと、城壁跡に沿って「線」として都市を感じることができます。
- 土の高まりに沿って続く小径を歩きながら、過去の都市の輪郭を想像する
- 道路を行き交う車の音を背に、木々の葉擦れや鳥の声に耳を澄ます
- 同じ場所に重なっている「城壁の時代」と「現代の北京」の二重写しを思い描く
こうした体験は、歴史の専門知識がなくても、身体感覚として都市の変化を理解させてくれます。国際ニュースで語られる政治や経済の動きとは別のレイヤーで、「都市がどう時間を蓄えているのか」を考えるきっかけになります。
都市のスキマに生まれる、静かな物語
大都市では、新しいビルや商業施設が注目を集めがちです。しかし、Yuan Dadu City Wall Ruins Park のような場所に立つと、別の種類の物語が見えてきます。そこには、次のような問いが生まれます。
- もし城壁がなかったら、この都市の形はどう違っていただろうか
- かつて都市を囲んでいたラインが、いまは人々を受け入れる散歩道になっているのはなぜか
- 私たちは歴史的な遺構を「記念碑」としてではなく、「日常の風景」としてどう受け止められるか
公園の土の壁や緑は、派手な演出こそありませんが、「都市と時間の関係」を静かに問いかけているように見えます。
自分の街の「緑のリボン」を探してみる
Yuan Dadu City Wall Ruins Park の存在は、北京という都市を理解するひとつの窓口です。同時に、日本や他の都市に暮らす私たちにとっても、自分の足元を見直すヒントになります。
鉄道跡が遊歩道になった場所、かつての川の流路が緑地として残っている場所、古い土手が公園に姿を変えた場所。そうした空間は、どの都市にも少しずつ存在します。そこには、「過去のインフラ」が「現在の憩いの場」へと姿を変える、静かな変化が刻まれています。
北京の幹線道路に挟まれたこの公園をイメージしながら、自分の街の「緑のリボン」を探してみると、いつもの通勤路や散歩道が、少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
Yuan Dadu City Wall Ruins Park: Tracing the past in a green ribbon
cgtn.com








