北京発・世界40都市のデジタル経済都市連合とは何か
2025年、北京で開かれた国際会議の場で、世界40以上の都市が参加する「グローバル・デジタル経済都市連合」が発足しました。デジタルインフラやデータガバナンス、AI倫理、スマートシティなど、デジタル経済をめぐる国際協力の新しい動きを日本語で整理します。
北京で「グローバル・デジタル経済都市連合」が発足
2025年、北京で開かれたグローバル・デジタル経済会議2025(Global Digital Economy Conference 2025)の場で、世界40以上の都市が参加する新しい枠組み「グローバル・デジタル経済都市連合」が立ち上がりました。
この都市連合には、欧州、北米、アジア太平洋、中東、ラテンアメリカなど複数の地域の都市が参加しており、デジタル経済を軸にした多国間の連携を深めることを目指しています。
狙いは「都市同士のマルチラテラル協力」
今回の取り組みの特徴は、従来の都市間の二国間プロジェクトを超え、多くの都市が共通の課題に取り組む「制度化された協力」をめざしている点です。
都市連合が重点分野として掲げているのは、次のようなテーマです。
- デジタルインフラの整備と相互接続
- 国境をまたぐデータガバナンス(データの扱い方やルールづくり)
- AI(人工知能)の倫理と安全な活用
- スマートシティ(デジタル技術を活用した都市運営)の実証と応用
これらはいずれも、デジタル経済の拡大とともに各国・各都市が直面しているテーマであり、単独の都市だけでは対応が難しい分野でもあります。
2023年の協力イニシアチブから、2025年の正式な枠組みへ
北京は2023年に「グローバル・デジタル経済パートナー都市協力イニシアチブ」を打ち出し、世界のパートナー都市との連携を進めてきました。
2024年には、このイニシアチブを実行に移すための6つの行動計画が採択され、デジタル経済分野での協力の具体化が図られました。今回の都市連合は、そうした2年間の積み重ねを踏まえて、2025年に正式な多国間枠組みとして立ち上がったものです。
設立には、国連訓練調査研究所(UN Institute for Training and Research)、国際電気通信連合(International Telecommunication Union)、国際貿易センター(International Trade Centre)といった国際機関も関わっており、国際的な議論や標準づくりにつなげていく構想がうかがえます。
デジタル経済会議2025の特徴:1,000人超が参加
都市連合が発表されたグローバル・デジタル経済会議2025は、北京市政府、Cyberspace Administration of China、National Data Administration、新華社通信、国連開発計画(UNDP)などが主催しました。
会議では、開幕式に加えて6つのメインフォーラムと複数のテーマ別セッションが開催され、参加者は1,000人を超えました。今年の会議は7月5日まで続き、デジタル経済や都市政策、技術と社会の関係などをめぐる議論が行われました。
日本の読者にとっての意味
今回の都市連合は、国と国ではなく「都市」を単位としたデジタル経済の国際協力の新しいモデルとも言えます。日本の都市や企業にとっても、次のような観点で注目する価値があります。
- グローバルなデータガバナンスやAI倫理の議論が、実際の都市サービスやビジネスにどう影響していくのか
- スマートシティの技術や運営ノウハウを、都市間ネットワークを通じてどのように共有していけるのか
- 中小企業やスタートアップが、国境を越えたデジタル市場にアクセスしやすくなる可能性があるかどうか
デジタル経済のルールや枠組みは、一度形づくられると長く影響が続きます。2025年に北京で始まったこの都市連合の動きが、今後どのような具体的プロジェクトや国際ルールにつながっていくのか。日本の読者にとっても、中長期的にフォローしておきたい国際ニュースと言えるでしょう。
Reference(s):
Beijing launches cities alliance to boost global digital economy ties
cgtn.com








