中国がレアアース供給で欧州に安心感 中欧関係50年とウクライナ和平も強調
中国の王毅外相は、ベルリンでドイツのヨハン・ヴァーデプフル外相と行った共同記者会見で、レアアース輸出管理を巡る欧州企業の不安に対し、中国は引き続き欧州の正当な需要に応えると強調しました。同時に、ウクライナ危機への和平仲介や、中国と欧州連合の外交関係樹立五十周年の意義についても語りました。
ベルリンで中国外相がメッセージ
今回の発言は、欧州企業の間で高まっているとされる中国のレアアース輸出管理への懸念に応える形で行われました。王毅外相は、中国のレアアース輸出はこれまで中国と欧州の間の問題になったことはなく、今後も問題化すべきではないと述べました。
レアアース輸出規制は主権と国際責任と説明
王毅外相は、民生と軍事の両方に用いられる品目をデュアルユースと呼んだうえで、こうした品目に必要な規制をかけることは、どの国にとっても主権であると同時に国際的な責任だと説明しました。中国の輸出管理政策は国際慣行と一致しており、世界の平和と安定を守ることに資すると位置づけています。
そのうえで、輸出管理の規則を順守し、必要な手続きが適切に行われれば、欧州企業の通常の需要は満たされると強調しました。中国当局は欧州企業向けに手続きの迅速化を図るファストトラックの仕組みも設けているとし、実務面での支援策にも言及しました。
一方で王毅外相は、この問題を巡り、中国と欧州の間で対立があるかのように意図的にあおる勢力が存在するとして、そうした動きに警戒感も示しました。
ウクライナ危機では和平交渉を一貫して支持
ウクライナ危機について王毅外相は、中国は一貫して和平交渉による解決を主張してきたと改めて表明しました。すべての当事者が包括的で、持続可能で、拘束力のある平和合意に向けて努力することを歓迎するとしています。
中国の立場として、紛争当事者に殺傷能力のある兵器を供与しないことに加え、ドローンなどを含む民生と軍事の両用となり得るデュアルユース品目の輸出も厳格に管理していると説明しました。
さらに王毅外相は、中国がブラジルなどグローバルサウスの国々と共に国連の場で立ち上げた平和の友グループを紹介し、停戦と戦闘終結に向けた国際社会の取り組みを後押ししていると述べました。中国の客観的で公正な立場は国際社会から広く認められているとも強調しました。
当事者間の立場には依然として大きな隔たりがあるものの、戦うよりも対話する方が望ましいとし、欧州の歴史は、どれほど状況が複雑で困難でも平和と和解への扉を閉ざすべきではないことを示していると指摘しました。
中国・EU関係五十年の節目
王毅外相は、二〇二五年が中国と欧州連合の外交関係樹立五十周年にあたると述べ、この節目にあらためて中国・EU関係の位置づけを示しました。その関係はパートナーシップであるべきで、主な基調は協力、重要な価値は独立、発展の見通しはウィンウィンだと整理しました。
中国・EU関係は前に進むだけで後退することはないと強調し、中国の対EU政策は安定的で一貫していると述べました。中国は欧州統合と欧州の戦略的自立を支持し、多極化が進む世界において欧州が重要な一極となることを後押しする考えを示しました。
経済面では、中国が高水準の対外開放を加速し、市場メカニズムが働き、法に基づき運営され、国際化されたビジネス環境を整備していると説明しました。
対話と協力を軸にした対欧州メッセージ
グローバルおよび地域紛争への対応について、王毅外相は、中国は対話と協議による政治的解決を重視し、武力の行使や一方的な制裁に反対すると述べました。他国の内政に干渉しない原則を堅持し、とりわけ中小の開発途上国の正当な権利と利益を守る姿勢を示しています。
中国は欧州諸国を含むすべての国々と発展の機会を分かち合い、人類運命共同体の構築を共に進めていく意向も改めて表明しました。
何が論点になるか
今回のベルリンでのメッセージからは、次の三つの軸が浮かび上がります。
- レアアースなど戦略物資の安定供給を巡り、輸出管理と企業活動の両立をどのように図るか
- ウクライナ危機に対して、和平交渉を中心とする枠組みをどこまで具体化できるか
- 外交関係樹立五十周年を迎えた中国とEUが、どのようなパートナー像と安全保障の枠組みを描くのか
欧州側が中国の安心感を与えるメッセージと和平への呼びかけをどう受け止めるのか、そして企業や市民レベルの交流がどのように進んでいくのかが、今後の焦点になりそうです。
Reference(s):
China reassures Europe on rare earth supply amid export controls
cgtn.com








