中国、生活サービス業拡大の新計画 農村振興と雇用をテコ入れ
中国が生活サービス業(家事代行、育児支援、高齢者ケアなど)を拡大する新たな計画を公表しました。農村振興と雇用の安定、都市への人の移動をどのように支えるのかが注目されています。
中国が発表した生活サービス業拡大計画とは
中国商務省など9部門は月曜日、国内の生活サービス業を拡大するための計画を共同で発表しました。これは「農村の全面的な振興」を進める取り組みの一環と位置付けられています。
計画は、家事や介護、育児といった生活サービスを「雇用の受け皿」として育成しつつ、サービスの量と質を高めることで、住民の暮らしを支えることを狙っています。
狙いは4つ:供給拡大、消費喚起、暮らしの改善、雇用の安定
今回の計画が掲げる主な目標は、次の4点です。
- 生活サービスの供給を増やし、さまざまな需要に応えること
- 家事・介護などへの支出を促し、サービス消費を活性化させること
- サービスの質向上を通じて、人々の生活水準を高めること
- 雇用機会を増やし、経済全体の雇用を安定させること
14の具体策のうち、明らかになっているポイント
計画には14の具体的な措置が盛り込まれています。その中で特に示されているのは、農村の労働力を生活サービス業に呼び込み、都市部での働き方と暮らしを支えるための施策です。主なポイントは次の通りです。
- 農村の労働力が生活サービス業で働きやすくなるよう、就業機会を拡大する
- 職業訓練を充実させ、家事・介護・育児などの技能を高める
- 農村出身労働者への社会保障を強化し、安心して働ける環境を整える
- 手頃な価格の住宅供給を増やす
- 生活サービス業で働く農村出身の出稼ぎ労働者が、都市部の安価な住宅に入居しやすくする
- 基本的な公共サービスへの平等なアクセスを確保する
- こうした労働者が、できるだけ早く都市社会に溶け込めるよう支援する
単に仕事を増やすだけでなく、「住む」「暮らす」環境を含めて支える点が特徴といえます。
農村から都市へ移動する労働者をどう支えるか
今回の計画は、とくに農村から都市へ働きに出る人々を意識した内容になっています。生活サービス業での就業機会を広げるだけでなく、社会保障や住宅、公共サービスへのアクセスを改善することが掲げられています。
都市の家庭にとっては、家事や介護などのサービスが利用しやすくなり、農村出身の労働者にとっては、職と暮らしの両方が整えられていくことが期待されます。雇用と生活環境を一体で支えることで、都市への定着や地域社会への参加も進めようとする狙いが読み取れます。
数字で見る中国の生活サービス業
計画が対象とする生活サービス業は、すでに中国経済の中で大きな存在になっています。
- 2024年末時点で、農村からの出稼ぎ労働者は約3億人に達している
- 生活サービス業には3,000万人超の人材が従事している
- 関連企業は100万社以上にのぼる
- 市場規模は1兆1,000億元超(約1,538億3,000万ドル)と試算されている
すでに巨大な規模を持つ産業に対して、政策面からさらにテコ入れを図ることで、雇用と消費の両面で経済を下支えする狙いがうかがえます。
国際ニュースとして見たときの意味
今回の生活サービス業拡大計画は、農村振興と都市化、雇用の安定を一体で進めようとする動きとして位置付けられます。製造業だけでなく、生活に密着したサービス業をどのように育てるかは、多くの国と地域に共通するテーマです。
家事や介護、育児といった分野を社会全体でどう支えるかという問いは、日本を含むアジア各地でも共有されています。中国の動きは、今後の雇用政策や都市政策を考えるうえで、一つの参考事例として注目しておきたいところです。
生活サービス業という身近な分野を通じて、農村の全面的な振興や都市と農村の関係の変化をどう描くのか。中国の今後の具体的な運用と成果が、引き続き焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








