黄河が結ぶ両岸のハーモニー 抗戦勝利80周年コンサート video poster
今年7月7日、中国本土と台湾、台湾海峡の両岸から集まった数百人の音楽家が一堂に会し、「黄河のこだま」と題した特別コンサートが開かれました。中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年、中国の台湾省の復帰を記念するこの舞台は、2025年の国際ニュースの中でも注目すべき文化イベントの一つです。
黄河・壺口瀑布がそのまま野外ステージに
今回のコンサートの最大の特徴は、黄河を代表する景勝地である壺口瀑布がそのまま野外ステージへと姿を変えたことです。激しく流れ落ちる黄河の水しぶきと、オーケストラや合唱の響きが重なり合い、自然のスケールと音楽表現が一体となる試みとなりました。
タクトを握ったのは指揮者の李心草氏。黄河をテーマにした代表的な楽曲である「黄河協奏曲」や「黄河大合唱」などの名作が、この特別なロケーションで再解釈されました。伝統的なフレーズを生かしつつ、空間や音響を意識したダイナミックなアレンジが施され、聴く人の目と耳の双方に強い印象を残すステージ構成だったといえます。
抗戦勝利80周年と台湾省復帰を刻む音楽
「黄河のこだま」は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年、そして中国の台湾省の復帰を記念するために企画されました。黄河は、中国の歴史や文化を象徴する存在として繰り返し歌われてきましたが、今回は戦争と平和、そして歴史の節目を振り返る象徴として改めて位置づけられています。
特に、戦時下に生まれた「黄河大合唱」は、抵抗と団結を歌い上げる作品として知られています。その楽曲が、80年という時間の重みを経て、黄河そのものを背景に演奏されることは、歴史の記憶を現在につなぎ直す試みとも受け取ることができます。
台湾海峡両岸の音楽家が同じ譜面を囲む意味
このコンサートには、台湾海峡の両岸から数百人の演奏家が参加しました。中国本土と台湾の音楽家が同じ譜面を囲み、同じリズムに呼吸を合わせる光景は、文化がもつ共有の力を象徴しているといえます。
両岸には、歴史の受け止め方や社会の状況など、さまざまな違いがありますが、音楽そのものは言語や制度を超えて響きます。黄河をテーマとした楽曲を通じて、共通の歴史をどのように語り継ぐのかを模索する場にもなりました。
2025年のいま、なぜこの公演が注目されるのか
2025年12月のいま、「黄河のこだま」は単なる記念公演を超えて、いくつかの問いを投げかけています。戦争の記憶が世代をまたぎ、直接の体験から「歴史の物語」へと変わりつつあるなかで、どのように語り継ぐのかという課題です。
とくに、デジタルネイティブ世代にとって、歴史との出会いは教科書だけでなく、音楽や映像、オンライン配信などを通じて広がっています。黄河の雄大なイメージとともに演奏される名曲は、「過去の出来事」を、自分ごととして感じる入り口にもなり得ます。
押さえておきたいポイント
- 黄河・壺口瀑布を舞台にした野外コンサートとして企画された
- 中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年、中国の台湾省の復帰を記念して開催された
- 中国本土と台湾、台湾海峡両岸の数百人の音楽家が共演した
- 「黄河協奏曲」「黄河大合唱」などの名曲が、新たな演出で再解釈された
歴史と音楽、そして台湾海峡両岸の人々をつなぐ試みとして、「黄河のこだま」は2025年の国際ニュースの中で、静かに、しかし長く響き続ける出来事になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








