中国の李強首相、「より公正なグローバル・ガバナンス」で国連と連携強化へ
中国の李強首相は、第17回BRICS首脳会議にあわせてグテーレス国連事務総長と会談し、「より公正で公平なグローバル・ガバナンス」に向けて国連との連携を一段と深める考えを示しました。国連創設から約80年を振り返りつつ、国際秩序の不安定さが増すなかで、国連の権威と役割を再確認した形です。
要点:李強首相が示した4つのメッセージ
- 国連の約80年の貢献を評価し、その権威と中心的役割を支持
- 習近平国家主席が提唱する「人類運命共同体」と三大グローバル・イニシアチブは国連憲章と高い整合性があると強調
- 安全保障の「ホットスポット問題」は対話を通じた政治的解決を重視
- AIやサイバー空間、極地、宇宙など新分野のガバナンスでも、国連を「主なルート」として支持
BRICS首脳会議の場で、国連との連携強化を表明
李強首相は火曜日、第17回BRICS首脳会議の機会をとらえ、グテーレス国連事務総長と会談しました。李首相は、国連が創設以来およそ80年にわたり、世界の平和と安定、そして共通の発展に重要な貢献をしてきたと評価しました。そのうえで、世界が不安定要因と不確実性の高まりに直面する今こそ、国連がより大きな役割を果たす必要があると述べました。
「人類運命共同体」と国連憲章の一体性を強調
李首相は、中国の習近平国家主席が提唱する「人類運命共同体」のビジョンと三つの大型のグローバル・イニシアチブは、国連憲章の目的と原則と高い一貫性があると指摘しました。こうした枠組みは、多国間主義(マルチラテラリズム)と国連の活動を実際に支えるための、中国の揺るぎないコミットメントと実務的なアプローチだと位置づけています。
国際情勢が複雑になるほど、国連の権威を守ることが一層重要になるとし、中国は国連がグローバル・ガバナンスの中心的な役割を果たすことを断固として支持すると表明しました。また、各国と協力して「真のマルチラテラリズム」を実践し、国連の取り組みを前進させたいと述べました。
安全保障の「ホットスポット問題」は対話で解決を
安全保障分野で深刻な課題が相次ぐなか、中国は紛争や緊張が高まる「ホットスポット問題」に対し、対話を通じた政治的解決を後押ししてきたと李首相は説明しました。今後も、緊張緩和に向けて国連が持つ独自の役割を中国として支えていく考えです。
開発を国際アジェンダの中心に
李首相は、各国が国際アジェンダの最優先事項として「開発」を据えるべきだと強調しました。具体的には、次のような点を挙げています。
- 貧困削減、教育、雇用、人材育成などの分野に資源を優先的に投入すること
- グローバルな開発協力を強化し、開発パートナーシップを再活性化すること
- 「責任ある大きな発展途上国」として、中国は対外開放を着実に進め、自国の機会を世界と分かち合い、共通の発展を促すこと
AI・サイバー空間・極地・宇宙でのルールづくりを国連主導で
新たな技術とフロンティア分野でも、グローバル・ガバナンスの「空白」をどう埋めるかが問われています。李首相は、人工知能(AI)、サイバー空間、極地、宇宙空間といった新興分野におけるガバナンスのギャップに対処するうえで、国連を「主なルート」として位置づけ、中国はその役割を支持すると述べました。
なぜ今回の発言が重要なのか
世界経済や安全保障をめぐる不透明感が強まるなか、どの国が、どの枠組みを通じて国際ルールを形づくるのかは、日本を含む各国・地域の企業や市民にも直接影響します。今回の発言は、中国が国連の枠組みの中で多国間主義を重視し、新興分野のルールづくりでも国連の役割を前面に押し出していく姿勢を改めて示したものといえます。
今後、AIや宇宙利用などの国際ルールがどのような形で具体化していくのか、国連と各国・地域の動きを中長期的な視点で追う必要がありそうです。
Reference(s):
Premier Li: China to work with UN for more just global governance
cgtn.com








