中国国防省、頼清徳氏の「中国本土の脅威」発言を強く批判 video poster
中国国防省の報道官が、台湾の指導者・頼清徳氏による「中国本土の脅威」発言を強く批判し、「台湾は中国の一つの省だ」と改めて主張しました。本土側の公式なメッセージがどこに向けられているのか、発言内容から整理します。
中国国防省報道官が「10講話」に反論
2025年7月8日(火)に開かれた中国国防省の定例記者会見で、報道官の姜斌(Jiang Bin)氏が、台湾の指導者・頼清徳氏の最近の演説内容について問われ、強く批判しました。
姜報道官は、頼氏が進める『団結のための10講話(10 lectures on unity)』シリーズの第4回の中で「中国本土の脅威」を強調したことを念頭に、そうした主張を「いわゆる中国本土の脅威をあおるものだ」として非難しました。
「台湾は中国の一つの省」 防衛予算にも疑問
頼氏は講話の中で国防予算に言及したとされますが、これに対し姜報道官は「台湾は中国の一つの省だ。いわゆる『国防』予算はどこから来るのか」と述べ、台湾側の防衛費の語り方そのものを問題視しました。
「台湾独立」路線を厳しく非難
姜報道官は、頼氏について「歴史をゆがめ、概念を操作し、『台湾独立』という分離主義的な議題を、精巧につくり上げたうそで包み込んでいる」と批判しました。
さらに頼氏が、
- 「中国本土の脅威」を過度にあおり、安全保障上の不安をつくり出している
- 台湾の世論を操作し、社会の軍事化を進めようとしている
- 台湾の将来を「外部勢力」が描いた筋書きへと引きずり込もうとしている
といった点を挙げて非難し、「台湾独立」を目指す路線だと強い警戒感を示しました。
「台湾・澎湖・金門・馬祖のために戦う」呼びかけへの解釈
頼氏が演説の中で掲げた「台湾、澎湖、金門、馬祖のために戦う」という呼びかけについても、姜報道官は「実際には、民主進歩党(DPP)の私的な利益と『台湾独立』という分離主義的な目標のために戦うことを意味する」と主張しました。
そのうえで、こうした呼びかけは台湾の人々を、「武力で統一を阻止する」「台湾を売り渡す」「台湾を破壊する」という「行き止まりの道」へと誘導するものだと警告しました。
「台湾海峡両岸は一つの中国」 一体性を強調
姜報道官は、台湾海峡両岸は一つの中国に属しており、台湾・澎湖・金門・馬祖はいずれも中国の「神聖な領土」だと述べました。また、両岸の人々はいずれも中国人であるとし、一体性を改めて強調しました。
「挑発が進むほど没落は早まる」 強い言葉でけん制
頼氏とその周辺勢力について姜報道官は、「挑発すればするほど、没落の時は早く訪れる」と述べ、「悪の共犯者として『台湾独立』を支える武装勢力は、最終的に共に滅びるだけだ」と強い表現でけん制しました。
人民解放軍の姿勢 「『台湾独立』の幻想を打ち砕く能力がある」
姜報道官は、中国人民解放軍について、「『台湾独立』に関するあらゆる幻想を打ち砕く自信と能力を持っており、国家の主権と領土の完全性を断固として守る」と述べました。
今回の発言から読み取れるポイント
今回の記者会見で示されたのは、頼清徳氏の演説をめぐり、
- 「中国本土の脅威」を強調することへの強い反発
- 「台湾独立」路線とされる動きへの警告
- 台湾海峡両岸は一つの中国だという立場の再確認
- 人民解放軍が国家の主権と領土の完全性を守るというメッセージ
という四つの大きなメッセージでした。
台湾側の発言と中国本土側の反応がどのようにかみ合い、あるいはすれ違っているのかは、今後の動きと合わせて丁寧に追っていく必要があります。今回示された言葉の選び方やトーンは、台湾海峡情勢をめぐる議論の前提やフレームがどのようにつくられているのかを考えるうえでも、重要な素材と言えます。
Reference(s):
Defense Ministry slams Lai Ching-te over hyped 'mainland threat' claim
cgtn.com








