中国で進むペットブームとアレルギー増加 健康リスクとどう向き合うか video poster
中国の都市部でペットの数が急増する一方で、犬や猫に対するアレルギーを抱える人も着実に増えています。ペットブームの裏側で何が起きているのかを、中国の最新データと専門家の見解から読み解きます。
中国都市部で進むペットブーム
中国のペット産業プラットフォームであるPetDataが発表した2025 China Pet Industry White Paperによると、中国の都市部で飼育されているペットの数は、2024年に1億2千万匹に達しました。これは2023年から2.1%増加したことになり、近年中国の都市でペットブームが続いていることを示しています。
特に犬や猫など、いわゆるコンパニオンアニマルとの生活は、孤立感の軽減やメンタルヘルスの面でも注目されています。その一方で、ペットと暮らす人が増えるほど、アレルギーという健康面の課題も表面化してきています。
増えるペットアレルギー患者
北京にある首都医科大学附属北京石景山医院のアレルギーセンターが、2020年から2022年にかけて3年間行った調査では、猫のフケ(皮膚の角質)に対するアレルギーを持つ患者の割合が12.5%に達しました。これは、2017年から2019年の調査期間と比べて0.7ポイントの増加です。
同センターの主任である王雪燕医師は、こうした増加を中国のペットブームの一側面として捉えています。猫や犬との距離が近くなるほど、アレルゲンに接触する機会も増えるためです。
ペットアレルギーはなぜ起こるのか
国際的にも、犬や猫に対するアレルギーは広く見られます。米国のAsthma and Allergy Foundation of America(喘息・アレルギー財団)によれば、猫や犬のアレルギーは世界人口の10〜20%に影響しているとされています。
ペットアレルギーの主な原因は、動物のフケ(はがれ落ちた皮膚)、唾液、尿などに含まれるたんぱく質です。これらが空気中に舞ったり、家具や衣類に付着したりして体内に入り、免疫システムが過敏に反応すると、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、咳などの症状が現れます。
医師が勧める上手な付き合い方
王医師は、ペットアレルギーが疑われる人にとっては、アレルゲンへの曝露(ばくろ)を減らすための工夫が重要だと指摘します。特に猫と暮らす場合、居住空間のゾーニングが鍵になります。
王医師によると、症状を悪化させないためには次のような点が大切です。
- アレルギーのある人を守るため、猫を別のエリアで飼うなど、生活空間を分ける
- 症状が軽い場合でも、医師の診断を受けたうえで飼育を続けるかどうか判断する
- アレルギーを放置すると、喘息や肺気腫、さらに肺性心疾患といった重い病気に進行するおそれがあることを理解する
王医師は、症状が比較的軽い人は工夫次第でペットと暮らし続けることも可能だとしつつ、適切な診断と治療を受けないまま放置することの危険性を強調しています。
世界アレルギーの日が伝えるメッセージ
こうした議論が高まるタイミングに合わせるかのように、毎年7月8日は世界アレルギーの日とされています。世界保健機関(WHO)とWorld Allergy Organization(世界アレルギー機構)が始めたこの記念日は、アレルギー疾患の予防と治療への理解を深めることを目的としています。
世界アレルギーの日では、正しい医療へのアクセスや早期の対策の重要性が強調されます。中国の都市部で進むペットブームは、人々の生活を豊かにする一方で、新たな健康課題を突きつけており、アレルギーへの認識と対策の必要性を改めて示しています。
ペットと健康を両立させるために
2025年12月現在、中国で見られるペットアレルギーの増加は、日本を含む世界の都市生活者にとっても他人事ではありません。ペットとの時間が心を癒やしてくれる存在であるのと同時に、健康リスクとのバランスをどうとるかが問われています。
アレルギーの兆しに早めに気づき、専門医と相談しながらペットとの距離感を調整することは、自分自身と家族、そしてペットの幸福を守ることにもつながります。ニュースやデータをきっかけに、自分の生活スタイルに合ったペットとの共生のあり方を、周囲と話し合ってみることが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








