李強首相「中国経済は安定成長へ」 WTO事務局長と会談し多国間貿易を擁護
世界経済の減速や保護主義の高まりが続くなか、中国の李強首相が「中国経済は安定的で健全な成長を続ける自信がある」と強調し、多国間貿易体制と世界経済の立て直しに向けた協力を呼びかけました。
BRICS首脳会議の場でWTO事務局長と会談
李強首相は月曜日、開催中の第17回BRICS首脳会議の場で、世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長と会談しました。この中で首相は、中国が国際社会と協力し、世界経済をできるだけ早く「軌道に戻す」用意があると述べました。
李首相は、近年の一方的な措置や保護主義の高まりにより、世界貿易は大きな変化に直面しており、国際的な経済・貿易秩序が深刻な影響を受けていると指摘しました。その結果、世界経済や各国・各地域の発展が大きな試練に晒されているとしています。
多国間貿易体制とWTOへの期待
こうした状況の中で、国際社会では多国間貿易体制を守るべきだという声が一段と強まり、WTOに対して、より積極的な役割を果たすことへの期待が高まっていると李首相は述べました。
李首相は、経済のグローバル化は歴史の「不可逆的な流れ」だと強調し、中国はこれまで通り、多国間主義と自由貿易を堅持し実践していくと表明しました。そのうえで、WTOの権威を回復し、貿易ルールの改善を加速させるため、同機関の改革と発展を積極的に支持するとしました。
また、中国は第14回WTO閣僚会議で、より具体的な成果が得られるよう働きかけていく考えも示しました。WTO閣僚会議は、WTOメンバーが集まり、世界貿易の基本ルールや運営方針を議論する重要な場です。
中国経済への自信:14億人超の市場とマクロ政策
自国経済について、李首相は「外部の逆風に対応するための資源と手段を豊富に持っている」と述べ、中国には安定的で健全な経済成長を促す自信があると強調しました。
李首相によると、中国は今年、より積極的で効果的なマクロ経済政策を実行し、内需拡大戦略を推進するとともに、消費を下支えするための特別な取り組みを打ち出してきました。
背景には、14億人を超える人口がもたらす「超大型市場」の存在があります。首相は、この巨大で拡大を続ける需要が国内経済を支えるだけでなく、国際的な貿易・投資の機会にもつながると強調しました。
自主的な開放拡大と「前向きなエネルギー」
李首相はさらに、中国が今後も自主的かつ一方的に、対外開放を拡大する措置を打ち出していく方針を示しました。これは、他国との交渉や合意を待たずに、自国の判断で市場開放を進める取り組みを指します。
そのうえで中国は、WTOの原則と市場ルールを厳格に守りつつ、各国と発展の機会を引き続き分かち合い、世界に「前向きなエネルギー」を注入していくとしています。
なぜこの発言が注目されるのか
世界貿易をめぐっては、一部で関税の引き上げや輸出規制など、保護主義的な動きが続いています。そうした中で、中国が多国間貿易体制の維持とWTO改革への支持を改めて打ち出したことは、国際社会に向けた重要なメッセージといえます。
日本を含む多くの国・地域にとって、中国の内需拡大や市場開放の方針は、輸出や投資の行方、サプライチェーン(供給網)の安定とも密接に関わるテーマです。李首相の今回の発言が、今後のWTO議論や各国の通商政策にどのような形で反映されていくのかが注目されます。
Reference(s):
Premier Li: China confident in steady, sound economic growth
cgtn.com








