中国・湖南省で巨大リチウム鉱床発見 EV・電池産業に追い風
中国・湖南省で巨大リチウム鉱床 EV・蓄電需要を支える新資源
EV(電気自動車)や蓄電システムに欠かせないリチウムについて、中国・湖南省で世界有数規模の鉱床が確認されました。世界的な脱炭素と電池需要の高まりの中で、この発見は新たな注目を集めています。
4億9,000万トンのリチウム鉱石、湖南省リンウー県で確認
湖南省の自然資源当局によると、中国中部・湖南省のリンウー県(Linwu County)にあるジージャオシャン鉱区(Jijiaoshan mining area)で、約4億9,000万トンのリチウム鉱石が確認されました。
この鉱床は「変質花崗岩型リチウム鉱床」に分類されており、リチウム酸化物(Li2O)として約131万トンを含むとされています。さらに、ルビジウム、タングステン、スズといった他の金属資源も同時に存在していると報告されています。
高度な探査技術と長年の調査がカギ
鉱床がある地域は地質構造が複雑で、従来の方法だけでは資源量の把握が難しかったといいます。今回の発見は、湖南省鉱産資源調査院が中心となり、探査技術の高度化と長年の現地調査を積み重ねた結果、実現したと説明されています。
郴州市の新エネルギー産業に追い風
プロジェクトを率いた湖南省鉱産資源調査院の徐一鳴教授は、この新たなリチウム資源が、リンウー県を管轄するチェンジョウ市(Chenzhou)の新エネルギー産業の発展を支えるとみています。
チェンジョウ市では今後、次のような分野での産業展開が期待されます。
- EV向けリチウムイオン電池の材料供給
- 再生可能エネルギーの余剰電力を貯める蓄電システム向け電池
- スマートフォンなどモバイル通信機器向けの小型電池
資源と製造拠点が近接することで、サプライチェーン(供給網)の効率化や技術集積が進む可能性があります。
リチウムをめぐる世界の動きと中国
リチウムは「白い石油」とも呼ばれ、EV、エネルギー貯蔵システム、モバイル通信など、現代の社会インフラを支える重要な資源です。世界的に脱炭素とデジタル化が進む中で、その需要は高まり続けています。
世界有数のリチウム保有国である中国では、今年1月、自然資源部傘下の中国地質調査局が、国内のリチウム埋蔵量が世界全体の16.5%に達し、世界第2位の規模になったと発表しました。今回の湖南省での新たな発見は、こうした流れをさらに後押しする可能性があります。
これから注目したいポイント
今回の巨大リチウム鉱床の発見は、エネルギー転換とサプライチェーン再編が進む中で、いくつかの点で注目されます。
- EV・蓄電システム向け電池材料の中長期的な安定供給にどう寄与するか
- 湖南省や中国中部地域の産業構造や雇用にどのような影響が出るか
- ルビジウム、タングステン、スズなど、同じ鉱床に含まれる他の金属資源の活用がどう進むか
リチウムをはじめとする資源の確保は、エネルギー政策と産業政策が交わるテーマでもあります。湖南省での今回の発見は、その交差点で起きている変化を象徴するニュースのひとつと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








