第11回ニシャン世界文明フォーラム開幕 多様性と現代化を議論 video poster
中国東部・山東省曲阜で、第11回ニシャン世界文明フォーラムが水曜日に開幕しました。世界各地から集まった研究者や専門家が、文明の多様性とグローバルな現代化について2日間にわたり議論します。
2025年の今、国際ニュースでも「対立」や「分断」が目立つなか、本フォーラムは異なる文明がどう共存し、ともに未来を形づくるのかを考える場として注目されています。
テーマは「多様性の美」とグローバル現代化
今回のフォーラムのテーマは、英語で Beauty in Diversity: Nurturing Understanding Among Civilizations for Global Modernization と掲げられています。直訳すれば「多様性の美──文明間の理解を育み、グローバルな現代化へ」という意味合いです。
人類の文明は、それぞれ独自の歴史や価値観を持ちながら発展してきました。フォーラムでは、どれか一つの文明モデルに世界を合わせるのではなく、多様な文明が共存したまま、平和的なグローバルな発展をどう実現するかが議論の柱になっています。
主な議題:文明の起源からAIまで
ニシャン世界文明フォーラムでは、文明や社会をめぐる幅広いテーマが扱われています。今回は、次のようなサブテーマが設定されています。
- 文明の起源と未来
- 儒教思想の現代的な意義
- グローバルな現代化のあり方
- 家族と社会の発展
- AIが人類の未来をどう形づくるか
文明の起源と未来を問い直す
「文明の起源と未来」という議題では、人類の文明がどこから来て、どこへ向かうのかという長いスパンの視点から議論が行われます。気候変動や格差、紛争など、21世紀の課題に直面するなかで、これまでの発展モデルを見直す必要があるのではないか、という問題意識が背景にあります。
孔子ゆかりの地で考える儒教の今
開催地の曲阜は、古代中国の思想家・孔子のゆかりの地として知られています。その場で「儒教思想の現代的な意義」が議論されることは象徴的だといえます。
儒教が重視してきた家族や社会の調和、礼儀や連帯といった価値は、デジタル化と個人主義が進む現代社会において、どのような意味を持ちうるのか。参加者たちは、伝統的な価値観をそのまま懐古的に語るのではなく、現代の課題と結びつけながら再解釈しようとしています。
家族・社会・グローバル現代化のつながり
フォーラムでは、国家レベルの制度や経済だけでなく、家族や地域社会の日常生活にも目を向けています。グローバルな現代化が進むなかで、働き方、子育て、ジェンダーの役割など、身近な生活のあり方が変化しているためです。
多様な文化圏の参加者が、家族やコミュニティに関する経験を持ち寄ることで、「人が安心して生きられる社会」と「経済・技術の進歩」をどのように両立させるか、といった問いが立ち上がってきます。
AIが人類の未来をどう形づくるか
もう一つの注目テーマが「AIが人類の未来をどう形づくるか」です。生成AIや自動運転、アルゴリズムによる意思決定が広がるなかで、技術の善し悪しだけでなく、「人間とは何か」「創造性とは何か」といった根源的な問いが改めて浮かび上がっています。
フォーラムでは、AIを単なる技術問題としてではなく、文明や価値観の問題として位置づけ、異なる文明の視点から利点とリスク、そしてルール作りの方向性を探っていきます。
文明間の対話が持つ意味
今回のニシャン世界文明フォーラムは、文明間の対話を通じて相互理解を深め、平和的なグローバルな発展を目指すというビジョンを前面に押し出しています。
文化や歴史、価値観の違いを「対立の原因」として捉えるのではなく、「学び合いの資源」として位置づけることができるかどうか。これは、国際関係だけでなく、私たちの日常の人間関係にも通じるテーマです。
2025年を生きる私たちにとっても、「多様性の美」をどう受けとめ、他者と共に未来をつくっていくのかを考えるきっかけになるフォーラムだと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com







