台湾の若者が南部グレーターベイエリアへ パン職人夫妻の10年と恩返し video poster
ドキュメンタリー・シリーズ『Diaries of Taiwan Youth』は、台湾出身の若者たちが、中国南部のグレーターベイエリアで自分の夢を形にしていく姿を追いかけています。その中で、深圳に移り住んで10年を重ねたパン職人夫妻の物語は、「どこで生き、どう地域と関わるか」を静かに問いかけます。
南部グレーターベイエリアで夢を形にする台湾の若者たち
『Diaries of Taiwan Youth』は、広東省、香港、マカオを含む南部グレーターベイエリアを舞台に、台湾の若者たちの日常と挑戦を描くドキュメンタリー・シリーズです。仕事や学びを求めてこの地域に渡った若者たちが、新しい環境の中でどのように夢を実現していくのか。そのプロセスが、日記をめくるように丁寧に映し出されています。
経済圏として成長を続けるこの地域は、同時に、異なるバックグラウンドを持つ人々が出会い、暮らしを築いていく場でもあります。シリーズに登場する台湾出身の若者たちの姿からは、「移動」が当たり前になった時代のキャリア観や生き方の多様さが浮かび上がります。
深圳に移り住んで10年 Liu Tientingさん夫妻の物語
その一編『A Decade Together』に登場するのが、台湾出身の受賞歴あるパン職人、Liu Tientingさんと妻のHuang Huichunさんです。約10年前、夫妻は深圳に拠点を移し、ベーカリーのビジネスに挑戦してきました。
この10年の間には、順調にいった時期もあれば、思い通りにいかずに悩んだ時期もあったといいます。挑戦と失敗を繰り返す中で、Liuさん夫妻にとって何よりも大きな支えとなったのは、深圳で出会った人たちから感じた深い温かさでした。日々のやりとりや、小さな気遣いの積み重ねが、「ここで暮らしていきたい」という実感につながっていったことが伝えられています。
見返りを求めない恩返し ベーカリーを志す若者への無償サポート
今、Liuさん夫妻は、その温かさへの「恩返し」として、新たな一歩を踏み出しています。ベーカリーを開きたいと願う若い世代に対し、無償でアドバイスや指導を行っているのです。
ビジネスの成功だけを目指すのではなく、自分たちが培ってきた経験を分かち合い、次の世代の挑戦を後押しする。この姿勢には、地域に受け入れられてきた感謝と、同じように夢を追う若者を励ましたいという思いが込められているようです。
- 移り住んだ先で受け取った温かさを、別の若者へとつなぐ循環
- 「自分の店」を超えた、コミュニティへの関わり方の一つの形
キャリアと「居場所」をどう選ぶかを考えさせる
Liuさん夫妻の10年は、「どこで働くか」だけでなく、「どこを自分の居場所と感じられるか」という問いとも深く結びついています。失敗も含めた経験を開き、若者に無償で伝えていく姿は、キャリアのゴールを単なる肩書きや売り上げではなく、他者との関係性や地域への貢献に見いだす生き方を示しているようにも受け取れます。
台湾出身の若者が南部グレーターベイエリアに渡り、新しい環境で自分の道を切り開く姿は、日本でニュースを追う私たちにとっても無関係ではありません。働く場所や生き方の選択肢が広がる今、「自分なら、どんな形で周囲と関わり、恩返しをしていきたいか」。『Diaries of Taiwan Youth』に映る静かな日常は、そんな問いを私たちに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








