マレーシアの首都クアラルンプールで中国とベトナムの外相が会談し、グローバルな多国間主義の擁護と経済協力の拡大で歩調を合わせる方針を確認しました。
クアラルンプールで中国・ベトナム外相が会談
2025年12月上旬の木曜日、中国の王毅(ワン・イー)外相と、ベトナムのブイ・タイン・ソン副首相兼外相が、マレーシアの首都クアラルンプールで会談しました。
両外相は、今年4月に行われた両国トップによる会談が「成功裡に終わった」と評価し、その際に確認された合意内容や共通認識(コンセンサス)を、今後着実に実行していくことで一致しました。
多国間主義の擁護と「経済・貿易いじめ」への反対
今回の会談では、「グローバルな多国間主義」を守る姿勢が改めて強調されました。多国間主義とは、複数の国や地域が国際的な枠組みの中でルールを共有し、協力して問題解決を図る考え方です。
王外相は、中国が一貫して「経済・貿易いじめ」や関税を使った威圧に反対していると述べました。そのうえで、経済・貿易や関税をめぐる問題は、対話と協議によって、対等な立場から解決すべきだと強調しました。
- 一方的な関税引き上げや制裁ではなく、
- 国際ルールと多国間の枠組みを尊重し、
- 当事者同士の対話で調整していくべきだ、という立場を示した形です。
ベトナムのBRICS参加と上海協力機構への支持
王外相は、ベトナムがBRICSのパートナー国となったことを歓迎しました。さらに、中国として、ベトナムが上海協力機構に「できるだけ早い段階」で参加できるよう支持する考えを示しました。
BRICSや上海協力機構のような多国間枠組みを通じて、中国とベトナムが協力を深めることで、新興国・地域の連携が一段と強まる可能性があります。多国間主義を重視する両国の姿勢が、こうした地域枠組みの場でも確認された形です。
鉄道・金融・科学技術・文化交流まで 実務協力を拡大へ
ブイ・タイン・ソン外相は、中国と協力して、鉄道、金融、科学技術、文化交流などの分野で実務的な協力をさらに深めていきたいと表明しました。
- 鉄道インフラの整備・連結
- 金融分野での協力・資金調達
- 科学技術分野での共同研究や技術交流
- 人的交流や文化イベントなどのソフト面のつながり強化
こうした分野で協力が進むことで、両国間の経済関係だけでなく、人の往来や知的交流も広がることが期待されます。
ASEAN–中国関係の「跳躍的発展」に手応え
ブイ外相は、ベトナムを含むASEAN諸国が、中国との協力が「跳躍的に発展」していることを喜ばしく受け止めていると述べました。そのうえで、ASEANと中国の関係をさらに発展させるため、引き続き中国と協力していく用意があると強調しました。
ASEAN–中国関係の強化は、貿易や投資だけでなく、インフラ、デジタル分野、人材交流など、幅広い分野に影響しうるテーマです。今回の中国・ベトナム外相会談は、その中でもベトナムがどのような役割を果たしていくのか、方向性を示す場になったと言えます。
今回の会談は何を意味するのか
今回のクアラルンプールでの中国・ベトナム外相会談からは、次のようなポイントが読み取れます。
- 多国間主義や対話を重視する立場を、両国が改めて共有した。
- BRICSのパートナー国として、ベトナムの役割拡大を中国が後押ししている。
- 鉄道や金融などの具体的な協力分野を通じて、ASEAN–中国関係のさらなる発展を図ろうとしている。
2025年も世界経済や安全保障環境が揺れる中、アジアの国々がどのように連携し、多国間の枠組みを通じて課題に向き合っていくのかは、日本を含む地域全体にとって重要なテーマです。中国とベトナムのこうした動きは、今後の国際秩序やアジアの協力構造を考えるうえで、注視しておきたいポイントと言えるでしょう。
Reference(s):
Chinese, Vietnamese FMs vow to safeguard global multilateralism
cgtn.com








