「どの文化も周縁ではない」ITI理事が北京で語った演劇と調和 video poster
北京で開かれたGlobal Civilizations Dialogue Ministerial Meetingで、International Theatre Institute(ITI)の執行評議会メンバーであるロイド・ニカジノ氏が、文化の優劣を否定し、演劇を通じた調和の必要性を強調しました。国際ニュースや文化交流に関心のある読者にとって、2025年の今を考えるヒントになるメッセージです。
北京の対話の場で語られた「文化に優劣はない」
ニカジノ氏は、CGTNのインタビューに応じ、次のような考え方を示しました。どの文化も周縁に追いやられるべきではなく、優れた文化と劣った文化という序列も存在しないという視点です。人びとは互いを見下すのではなく、調和して生きるべきだというメッセージが込められています。
氏の言葉を整理すると、次の3点に集約できます。
- 周縁に置かれる文化は一つもない
- どの文化も他より優れているわけではない
- 私たちは調和のうちに生きるべきである
分断や対立が語られがちな2025年の世界の中で、こうした価値観は、グローバルに生きる私たちの前提を静かに問い直すものでもあります。
演劇は「重要な批評のツール」
ニカジノ氏は、演劇を「最も重要な批評のツールの一つ」と表現しました。ここでいう批評とは、単に何かを否定的に評価することではなく、社会や自分自身を見つめ直し、別の視点を提示する行為だと考えられます。
演劇という場では、異なる背景を持つ登場人物が同じ舞台に立ち、対話し、葛藤し、ときに和解します。観客はその物語を追体験することで、自分とは異なる立場や文化に感情移入しやすくなります。国境や言語を超える国際ニュースの文脈でも、こうした「物語を共有する力」は、相互理解を促すツールとして重要性を増していると言えるでしょう。
「違い」を認めたうえで共通の土台を探す
ニカジノ氏は、文化の違いについても率直に語りました。すべての文化はユニークであり、同じになることはできない。しかし大切なのは、違いを消すことではなく、共通の土台を見つけ、そこで交流し、相互作用することだと指摘しました。
この考え方は、国際政治や経済だけでなく、SNSでの議論や日常の会話にも通じます。完全に同じ価値観を共有することは難しくても、
- 互いの違いがあることを前提にする
- それでも共有できる関心や課題を探す
- そこで対話や協力の出発点を見いだす
といった姿勢は、文化交流だけでなく、職場やコミュニティのコミュニケーションにも役立つ視点です。
日本の読者への問いかけ:私たちにとっての「共通の場」とは
北京での対話の場から発せられたニカジノ氏のメッセージは、日本語で国際ニュースを追う私たちにも、いくつかの問いを投げかけています。
- 自分が接しているニュースやコンテンツにおいて、「周縁」に追いやっている文化や視点はないか
- 異なる文化や価値観を見るとき、「優劣」のものさしで判断していないか
- 日常生活やオンライン空間で、どのような「共通の土台」をつくれるか
演劇は、ニカジノ氏の言うように、国や個人の考え方を揺さぶる「批評のツール」であり、同時に、多様な人が同じ物語を共有する「共通の場」でもあります。国際ニュースを日本語で読み解きながら、私たち一人ひとりがどのように他者と調和して生きていくかを考えるきっかけとして、この北京での発言を受け止めてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








