中国とマレーシア外相会談 一帯一路とASEAN連携を強化へ
中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)は木曜日、マレーシアの首都クアラルンプールでモハマド・ハサン外相と会談し、中国とマレーシアの関係を高レベルの戦略的共同体へと引き上げるため、両国首脳が合意した内容を着実に実行していく方針を確認しました。
クアラルンプールで外相会談 共有された未来の共同体を推進
今回の会談では、中国とマレーシアの二国間関係に加え、中国とASEAN(東南アジア諸国連合)の今後の連携の方向性も話し合われました。王毅外相は、中国はマレーシアと共に、高レベルの戦略的中国・マレーシア共同体で共有された未来を築くという首脳間のコンセンサスを実行に移す用意があると強調しました。
王毅氏は、政治的な相互信頼を強め、利益の融合を深め、戦略的協調を高めるとともに、伝統的な友好関係を受け継いでいくことで、両国首脳が描いたロードマップを現実のものにしていきたいと述べました。
一帯一路とインフラ連結 ECRLなど重点プロジェクトを推進
会談では、中国が掲げる一帯一路の枠組みのもとでの協力が大きな柱となりました。王毅氏は、両国が共同で策定した協力計画を全面的に実行し、経済、貿易、投資、インフラの連結性といった分野で協力を強化する必要があると指摘しました。
特に、次のようなプロジェクトが重点案件として挙げられました。
- 鉄道計画とされる East Coast Rail Link(ECRL)
- 産業や投資で連携する構想である Two Countries, Twin Parks
こうしたプロジェクトを着実に前進させることで、両国の経済的な結びつきと地域の接続性を一段と高める狙いがあります。
新興・先端分野で新質生産力の地域ハブを構築
王毅氏はまた、新興分野や先端分野での協力を一層深め、両国が共に新質生産力の地域ハブを築いていく必要性を強調しました。新質生産力とは、新しい技術や産業構造によって生まれる生産力や競争力を指す概念です。
マレーシア側も、デジタル経済やグリーン開発などでの実務協力の拡大に前向きな姿勢を示しており、こうした分野が今後の二国間関係の成長エンジンとなる可能性があります。
ビザ免除と文明間対話で人の往来と相互理解を促進
人の往来と相互理解を深める取り組みも、今回の会談の重要なテーマとなりました。王毅氏は、儒教文明とイスラム文明の対話を継続していくことの重要性を指摘し、今後実施される予定の相互ビザ免除協定を確実に履行する考えを示しました。
ビザ免除によって、観光やビジネス、留学などの往来の増加が見込まれ、両国関係に対する市民レベルでの支持をさらに固めることが期待されています。
中国とASEANのFTA3.0妥結と高関税問題
王毅氏は、中国とASEANの関係についても言及しました。中国とASEANは良き隣人、良き友人、良きパートナーであり、両者は中国・ASEAN自由貿易圏(FTA)バージョン3.0の交渉を全面的に完了したと説明しました。これは、共通市場の拡大と自由貿易の維持に向けた共通の意思を具体的な行動で示したものだとしています。
一方で王毅氏は、米国がASEANの国々に高い関税を課す動きについて、典型的な一方主義的行為であり、いかなる国からも支持されないだろうと批判しました。そのうえで、中国が取る断固とした対抗措置は、自国の利益を守るだけでなく、ASEAN加盟国を含む各国の共通の利益を守ることにもつながると述べました。
さらに中国は、ASEANと協力して多角的な貿易体制を維持し、世界の産業とサプライチェーンの安定を守り、包摂的な経済グローバル化を推進していく用意があると表明しました。
マレーシア側 関係は歴史的な最良期と評価
マレーシアのモハマド外相は、中国とマレーシアの関係は歴史上これまでで最も良好な状態にあると評価しました。不確実性が高まる世界情勢のなかで、マレーシアと中国の協力、そしてASEANの枠組みを通じた協力を強化すべき時期に来ていると述べました。
モハマド氏は、マレーシアが中国との友好を重視し、一つの中国政策を揺るぎなく堅持していると改めて表明しました。そのうえで、次の三つのグローバル・イニシアチブへの支持を示しました。
- グローバル発展イニシアチブ(Global Development Initiative)
- グローバル安全保障イニシアチブ(Global Security Initiative)
- グローバル文明イニシアチブ(Global Civilization Initiative)
マレーシアは、中国との間で、貿易と投資、インフラ、デジタル経済、グリーン開発などの分野で実務的な協力をさらに深める用意があるとしています。
またモハマド氏は、現在の状況のもとで真の友人が誰なのかは明らかだと述べました。関税をめぐる問題に直面するなかで、マレーシアは自国の利益だけを優先するのではなく、第三国の利益を犠牲にするような対応はとらないと強調し、それはASEANのやり方ではないと語りました。
地域秩序と経済連携をめぐるメッセージ
今回の中国とマレーシアの外相会談からは、二国間関係の強化と同時に、中国とASEANを軸とした地域経済秩序に関するメッセージも読み取れます。一帯一路の具体的なプロジェクト推進、FTA3.0の妥結、ビザ免除や文明間対話の強化など、経済から人の往来まで多層的な連携を打ち出すことで、地域の結びつきをさらに深めようとする姿勢がうかがえます。
他方で、米国による高関税措置への懸念と、多角的な貿易体制を重視する立場の強調は、揺れ動く国際経済のなかで、協調と対話を通じて安定を模索する意図を示しているとも言えます。今後、中国とマレーシア、そしてASEANの協力がどのような形で具体化していくのかが注目されます。
Reference(s):
Chinese FM urges joint efforts with Malaysia on bilateral, ASEAN ties
cgtn.com








