中国の丁薛祥副総理とポールソン元米財務長官が会談 米中関係の安定はどこへ向かうか
中国の丁薛祥国務院副総理は今月木曜日、北京でヘンリー・ポールソン元米財務長官と会談し、米中関係の安定と協力の重要性をあらためて強調しました。揺らぐ世界経済の中で、二つの大国がどのように向き合うのかが、あらためて問われています。
北京での会談 「相互尊重・平和共存・ウィンウィン」を強調
中国国務院の丁薛祥副総理(中国共産党中央委員会政治局常務委員)は北京で、米国のヘンリー・ポールソン元財務長官と会談しました。丁氏は、相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力という原則に基づき、中国と米国が協力を強化することが、健全で持続的な米中関係の発展につながり、両国と世界に利益をもたらすと述べました。
中国側があらためて「ウィンウィン(双方に利益)」の協力を掲げたことで、対立ではなく協調を志向するメッセージを発信した形です。
丁副総理「中国は不確実な世界での確実性」
丁氏は、世界情勢が不透明さと不安定さを増す中で、中国は今日の動揺する世界における「確実性の重要な要素」だと強調しました。そのうえで米国側に対し、次のような点を求めました。
- 中国の発展を客観的に見ること
- 中国の核心的利益と重大な関心事項を尊重すること
- 安定的で互恵的な経済・貿易関係を育てること
- 大国としての責任を共に果たすこと
ここで語られた「核心的利益」や「重大な関心事項」は、安全保障や主権、長期的な発展戦略など、中国側が特に重視する分野を指すと受け止められます。丁氏は、米中の経済・貿易関係を「互恵的」で「安定した」ものにしていく必要性も強調しました。
米中経済関係と世界経済への波及
米中は世界最大規模の経済大国どうしであり、その関係が安定するかどうかは、世界経済の見通しと投資マインドにも直結します。今回の会談で丁氏が「世界に利益をもたらす」と強調した背景には、次のような認識があると考えられます。
- 米中間の摩擦が緩和されれば、企業にとって先行きの不確実性が和らぐ
- 協力の枠組みが整えば、サプライチェーン(供給網)の混乱リスクを抑えられる
- 両国が連携すれば、世界的な景気減速局面でも下支えの効果が期待できる
日本を含む多くの国と地域にとって、米中関係は「遠い外交問題」ではなく、自国経済や生活コストに直結するテーマになっています。
ポールソン氏「対話と相互信頼の強化が鍵」
会談でポールソン氏は、米中関係は世界経済の安定と発展にとって極めて重要だと指摘しました。そのうえで、双方がコミュニケーションと相互信頼を高めるべきだとし、自身もそのプロセスに積極的に貢献する意欲を示しました。
米財務長官としての経験を持つポールソン氏は、金融や市場の視点から米中関係を見てきた人物です。今回の発言は、政治的な対立があっても、経済や金融の安定という共通の利益を軸に対話の余地があることを示すものとも言えます。
ポールソン・インスティテュートと米企業への期待
丁氏は会談の中で、ポールソン・インスティテュートと米国企業が中国に来て協力することを歓迎すると述べました。また、それらの主体が米中間の相互信頼と協力を促進するうえで、積極的な役割を果たしてほしいとの期待も示しました。
政府間の外交だけでなく、シンクタンクや企業など民間のプレーヤーが、米中の対話と協力を下支えする役割を担うことが意識されていると言えます。具体的には、次のような役割が想定されます。
- 気候変動や都市開発など共通課題をめぐる共同研究やプロジェクト
- ビジネスを通じた実務的な信頼関係の構築
- 若手人材や専門家の交流を通じた長期的な関係づくり
日本の読者が押さえておきたいポイント
今回の会談は、首脳会談のような大きなイベントではありませんが、米中関係の「足元の空気」をうかがううえで注目すべき動きです。日本の読者にとってのポイントを整理すると、次の三つになります。
- 中国側が「相互尊重」「平和共存」「ウィンウィンの協力」をあらためて掲げたこと
- 米側のキーパーソンが「対話」と「相互信頼」の強化に前向きな姿勢を示したこと
- 政府だけでなく、シンクタンクや企業など民間の役割が重視されていること
米中関係は、関税や輸出規制といった具体的な政策として私たちの生活に影響を与えます。その裏側で、こうした静かな会談や対話の積み重ねが続いていることを押さえておくと、ニュースの見え方も変わってきます。
まとめ:静かな会談から見える「大国の責任」
丁薛祥副総理は、米中が「大国としての責任」を共に果たすべきだと呼びかけました。ポールソン氏も、米中関係が世界経済の安定にとって決定的だと応じています。互いに立場の違いを抱えつつも、「対話」と「協力」という共通のキーワードが繰り返し強調された点は見逃せません。
今後、米中の対話がどこまで実務的な協力や政策の変化につながるのか。日本としても、自国経済と安全保障の両面から、その行方を丁寧にフォローしていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








