中国人民大学がグローバル文明交流研究ネットワーク構築へ
中国人民大学が、北京で開かれたグローバル文明対話閣僚会議の分科会で、新たな『グローバル文明交流・相互学習研究イニシアチブ』を発表しました。世界の文明同士の研究・対話・協力を一体的に進める試みとして、国際ニュースの中でも注目されています。
北京の会議で発表された新イニシアチブ
このイニシアチブは、木曜日に北京で開幕したグローバル文明対話閣僚会議の分科会において、金曜日に正式にお披露目されました。会議の公式行動計画にも盛り込まれ、会場内では今後の国際協力の具体的な枠組みとして位置づけられています。
狙いは、より大きな枠組みとされる『グローバル文明イニシアチブ』を、研究や交流といった実際の行動につなげることです。理念やスローガンにとどめず、制度やプロジェクトとして継続的に動かしていこうという意図がうかがえます。
三つの柱で構成される研究・対話プラットフォーム
発表内容によると、イニシアチブは大きく次の三つの柱から成り立っています。
- グローバルな文明研究ネットワークの構築
- 文明間対話のためのプラットフォームづくり
- 長期的な協力メカニズムの整備
1. グローバル文明研究ネットワークの構築
第一の柱は、研究を通じて文明同士をつなぐネットワークづくりです。中国人民大学は、世界各地の研究者が参加できるとされる『グローバル文明研究評議会』を設けるほか、地域別・テーマ別の研究センターを整備するとしています。
さらに、各国・各地域の研究機関を結ぶ国際研究ネットワークや、文明に関する資料や研究成果を蓄積するデータベースの構築も構想に含まれています。デジタル技術を活用し、知見を共有するインフラを整える狙いです。
2. 文明間対話の場づくり: コミュニティとサミット、若者フォーラム
第二の柱は、実際に人と人が出会い、議論するための対話プラットフォームづくりです。『グローバル文明対話コミュニティ』を立ち上げ、さまざまなバックグラウンドを持つ専門家や実務家が継続的に交流できる場を目指します。
また、『シビライゼーション・リーダーズ』グローバル・ディベロップメント・サミットと呼ばれる会合を開催し、各界のリーダーが文明と発展をテーマに議論する構想も打ち出されました。さらに、若い世代の相互理解と共通の価値観づくりを後押しするため、グローバル・ユース・フォーラムを創設する計画も含まれています。
3. 長期的な協力メカニズムの構築
第三の柱は、短期的なイベントに終わらせないための仕組みづくりです。共同研究のための基金を設けるほか、文明間の理解や交流に貢献した研究者や団体をたたえる国際賞の創設も掲げられています。
加えて、文明の多様な歴史や文化を紹介する展示会などを継続的に開催し、研究者だけでなく一般の人びとも参加できるかたちで、文明間の協力を長く続けていくことを目指しています。
分断の時代に文明をどう語るか
地政学的な緊張や価値観の対立が目立つなか、『文明』という視点から対話の場を設計しようとする動きは、国際社会の中で一定の存在感を持ちつつあります。今回のイニシアチブも、対立や競争ではなく、相互理解と学び合いを前面に出している点が特徴です。
特に、研究ネットワークとデータベースの整備、若者を対象としたフォーラム、共同研究基金や国際賞といった仕組みを組み合わせることで、思想や価値観の交流を一過性のイベントにとどめず、長期的なプロジェクトとして位置づけようとしている点が見て取れます。
日本やアジアの読者にとっての意味
日本やアジアの大学・研究機関、そして学生や若い社会人にとっても、この種のグローバルな文明研究ネットワークは無関係ではありません。歴史、宗教、開発、都市文化など、日本から発信できるテーマは多くあります。
今後、日本を含む各国・各地域の研究者や若者が、どのようなかたちで評議会やフォーラム、共同研究プロジェクトに関わっていくのかは、注目すべきポイントです。オンラインを活用した参加の広がりや、アジア内での連携のあり方も、重要な論点になりそうです。
これからの注目ポイント
今回の発表を受けて、今後チェックしておきたい点を整理します。
- グローバル文明研究評議会や地域・テーマ別センターに、どのような機関や専門家が参加するか
- グローバル文明対話コミュニティや若者フォーラムが、どの程度オープンな形で運営されるか
- 共同研究基金や国際賞が、どのようなテーマや地域を対象とするか
- 展示会やイベントが、市民レベルの交流や教育とどう結びついていくか
文明間の対話や相互学習は、時間をかけて信頼を育てていく取り組みです。中国人民大学が打ち出した今回のイニシアチブが、実際の研究や交流の現場でどのようなかたちをとるのか。今後の進展を落ち着いて追いながら、自分たちの学びや対話のあり方も考えていきたいテーマと言えます。
Reference(s):
Renmin University to build global civilizational research network
cgtn.com








