中国外相と英国外相が会談 関係改善と戦後80年の協力を確認
中国の王毅国務委員兼外相とイギリスのデービッド・ラミー外相がマレーシアのクアラルンプールで会談し、関係改善の流れを確認するとともに、第二次世界大戦勝利80周年を踏まえた国際協力のあり方について意見を交わしました。
クアラルンプールで中国・英国の外相が会談
現地時間の金曜日、中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は、マレーシアの首都クアラルンプールでイギリスのデービッド・ラミー外相と会談しました。王氏は中国共産党中央委員会政治局の委員も務めています。
王氏は、両国関係が両国首脳の戦略的な指導のもと「改善と発展の正しい軌道に乗っている」と述べ、現在の流れを維持し、さらに前進させるべきだと強調しました。
戦略的パートナーとしての原点に立ち返る
王氏は、中国とイギリスが「戦略的パートナー」であるという原点に立ち返る必要があると指摘しました。その上で、今後の英中関係の方向性として、次のような点を挙げています。
- 互いに戦略的パートナーであるという初心を取り戻すこと
- 互恵的な協力関係という大きな流れをしっかりと捉えること
- 相互尊重の姿勢を貫き、対等な関係を保つこと
- 意見や立場の違いを適切に処理すること
- 両国社会のさまざまな分野から寄せられる期待に応えること
価値観や政策の違いを抱えつつも、それを管理しながら協力を広げていく――王氏のメッセージは、英中関係を単なる対立か協調かという二択ではなく、「競合と協力が共存する長期的な関係」として捉え直そうとするものだといえます。
第二次世界大戦勝利80周年と戦後秩序
今年2025年は、第二次世界大戦の勝利から80年の節目にあたります。王氏は、中国とイギリスが戦後の国際秩序を共に作り上げた国であり、いずれも国連安全保障理事会の常任理事国であることを強調しました。
そのうえで両国は、次のような課題に共に取り組むべきだと呼びかけました。
- 国際社会に対する責任を共同で果たすこと
- 第二次世界大戦の勝利の成果を守ること
- 自由貿易体制を維持すること
- 世界の平和と発展に新たな貢献を行うこと
「戦後秩序」や「自由貿易体制」といったキーワードを前面に出した発言は、英中関係を二国間の利害だけでなく、グローバルなルール作りや経済システムの維持という文脈で位置づけようとする狙いがうかがえます。
イギリス側は一つの中国政策を再確認
ラミー外相は、現在の英中関係について「改善と発展の勢いがポジティブだ」と評価し、各レベルでの交流が一段と頻繁になっていると述べました。イギリス側として、中国側との意思疎通をさらに強化し、より実質的な行動を取り、経済・貿易などさまざまな分野での協力を促進したい考えを示しています。
またラミー外相は、イギリスが「一つの中国」政策を堅持していることを改めて表明し、中国との安定的で成熟した関係を発展させることにコミットしていると述べました。
イギリスが改めて「一つの中国」政策への支持を明言したことは、中国側にとって関係安定化の前提条件が確認された形だと受け止められそうです。
イラン核問題とウクライナ危機も協議
両外相は、イラン核問題やウクライナ危機など、国際・地域のホットイシュー(焦点となる課題)についても意見を交わしました。
詳細なやり取りは明らかにされていませんが、こうした安全保障上の課題について英中が対話を続けること自体、緊張の管理や外交的な解決策を模索するうえで重要な場となります。
今回の会談が示す英中関係の現在地
今回のクアラルンプールでの会談からは、英中双方が次のようなメッセージを発していると見ることができます。
- 両国首脳の「戦略的指導」のもと、関係改善の流れを維持・加速したい
- 価値観や政策の違いを認めつつ、相互尊重と対話を通じて管理していきたい
- 戦後80年の節目に、国連や自由貿易体制を支える役割を改めて確認したい
安全保障や経済、価値観など、国際社会をめぐる環境は一段と複雑になっています。その中で、中国とイギリスという二つの常任理事国が、どのように対立を抑え、協力の余地を広げていくのか。今回の外相会談は、その方向性を探る一つの試金石となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








