ベルギー前首相が見た中国の変化 技術革新と文化のバランスとは video poster
デジタル化が加速する2025年、社会の近代化と文化的アイデンティティをどう両立させるのかは、多くの国に共通する悩みです。そんな中、約20年で約50回中国を訪れてきたベルギー前首相イヴ・ルテルム氏が、中国の歩みから見えるヒントを語りました。
「フォロワー」から「イノベーター」へと変わった中国
CGTNの単独インタビューで、ルテルム氏は、この約20年で中国が経験した前例のない変化に驚きを示しました。かつて技術を追いかける立場だった中国が、いまや世界の技術革新を牽引する存在になっていると指摘します。
その変化は、経済成長や教育水準の向上といった数字で測れる部分だけではありません。ルテルム氏は、日常生活の中に技術が自然に溶け込んでいる点に注目し、中国社会がテクノロジーを当たり前のものとして受け入れつつあると評価しました。
社会・経済の進歩と「自分たちらしさ」の両立
ルテルム氏が強調したのは、急速な発展の裏側で失われがちな「自分たちらしさ」を、中国社会が守り続けているという視点です。彼は中国社会には、社会的・経済的な前進と、自らのアイデンティティの維持を両立させる力があると述べ、「それは決して容易なことではない」と語りました。
西側諸国と同じように、中国もデジタル化によって伝統的な考え方や文化的な実践が揺さぶられているといいます。オンライン化や即時性が重視される時代には、時間をかけて味わう芸術や伝統文化との向き合い方が難しくなる場面もあります。
デジタル化の波と文化の守り方
それでもルテルム氏は、中国には最新技術を積極的に取り入れながらも、根づいた文化や芸術、伝統的な価値観を軽んじないバランス感覚があると見ています。急速な社会・経済発展と、幅広い人々による新技術へのアクセスを実現しつつ、その中でアイデンティティを保とうとする姿勢に注目しました。
この視点は、中国だけでなく、デジタル化の影響を受ける世界中の社会にとって重要な問いを投げかけます。つまり、便利さや効率を高める技術の導入と、地域ごとの歴史や文化、思想をどう守っていくのかというテーマです。
日本社会への示唆として
ルテルム氏の指摘は、日本を含む多くの国にとっても、他人事ではありません。スマートフォンやオンラインサービスが当たり前になった2025年の今、生活のあらゆる場面でデジタル化が進む一方で、時間をかけて受け継がれてきた文化や習慣との向き合い方が問われています。
中国の事例についての彼の評価は、特定の国を持ち上げることではなく、「発展しながら何を守るのか」という普遍的なテーマを映し出しています。ルテルム氏が語る「バランスを取る力」は、急速な変化の中で社会が自らの軸を見失わないために、どの国にも必要な視点だといえるでしょう。
国際ニュースを追う私たち一人ひとりにとっても、技術の便利さを享受しながら、自分たちの文化や価値観をどう大切にしていくかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








