中国初の知能型海洋研究船「Tongji」引き渡し 海のキャンパスに
中国で初めてとなる知能型の海洋級総合科学研究船「Tongji」が、上海で日曜日に引き渡されました。海上での研究と教育を両立する「海のキャンパス」として注目されています。
中国初の知能型海洋研究船「Tongji」が上海で引き渡し
中国メディアChina Media Groupの報道によりますと、この研究船は中国で設計・建造された次世代型の研究船で、環境に配慮したグリーン設計、低騒音、知能化技術が特徴です。
「Tongji」は、海洋地質、海洋化学、海洋生物といった複数分野の調査能力を一体化しており、主に同済大学の「海上キャンパス」として運用され、学術研究と工学系学生の実習の双方を支える計画です。
「海のキャンパス」として大学教育を支える
海洋研究船「Tongji」は、同済大学の学生や研究者が乗り込み、実際の海で調査・観測・実験を行うためのプラットフォームとして使われます。教室では学びにくい海洋のダイナミクスを、現場で体験的に学べるのが大きな強みです。
研究分野としては、海底の構造を調べる海洋地質、海水中の成分を分析する海洋化学、海の生態系を対象とする海洋生物学などが想定されています。これらのデータは、海洋環境の理解や資源評価などにつながる基礎情報となります。
研究船「Tongji」の主なスペック
- 全長:82メートル
- 全幅:15メートル
- 乗組員:15人
- 科学者・研究要員:30人
- 航続距離:8,000海里
研究船は、静粛性の高い低騒音設計と、省エネルギーを意識したグリーン技術を備えています。また、知能化された航行システムにより、外洋での自律航行が可能で、エネルギー効率のよい航路を自動的に計画できるとされています。
柔軟なモジュール式ラボで多様な海洋研究に対応
「Tongji」の大きな特徴のひとつが、モジュール式の実験室(ラボ)設計です。船内には、用途に応じて入れ替え可能なスペースが用意されており、航海ごとに研究テーマに合わせて装備を組み替えることができます。
主任エンジニアのLi Zhenghua氏によると、研究者は航海ごとに専用のコンテナ型ラボを積み込むことで、
- 海洋生物学
- 海洋地質学
- 海洋化学
- 大気科学
といった分野の調査を行うことができます。これにより、一隻の研究船でありながら、航海ごとに「海の生物研究船」「海底調査船」「大気観測船」など、役割を柔軟に切り替える運用が可能になります。
さらに、この研究船は、海底ケーブルの敷設や保守といった海洋工学的な作業にも対応できます。調査だけでなく、実際の海洋インフラの整備や維持に関わる訓練・作業ができる点も特徴です。
海洋研究とテクノロジーが交わるプラットフォーム
中国初の知能型海洋級総合科学研究船「Tongji」は、海洋研究とデジタル技術、そして大学教育が交わる新しいプラットフォームと言えます。自律航行や省エネ運航、モジュール式ラボといった仕組みは、限られた時間と資源で多様な研究を進めるうえで大きな武器となりそうです。
今後、「海のキャンパス」としてどのような研究成果や人材が育っていくのかは、海洋に関心を持つ学生や研究者だけでなく、テクノロジーと国際ニュースに関心のある読者にとっても注目ポイントになるでしょう。
SNSでシェアしたい人のためのハッシュタグ例
- #国際ニュース
- #中国
- #海洋研究船
- #テクノロジー
- #大学研究
Reference(s):
China delivers its first intelligent ocean-class research vessel
cgtn.com








