中国国防部が日本に自制求める 比向け艦艇輸出計画と安全保障懸念
中国国防部が、日本政府がフィリピンへのあぶくま型艦艇6隻の輸出を計画しているとする報道を受け、日本に対し軍事・安全保障分野での慎重な対応を求めました。2025年は中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年にあたり、歴史からの教訓をどう現在の安全保障政策に生かすかが改めて問われています。
歴史の節目の年に、中国が日本へ「深い反省」を呼びかけ
中国国防部の姜斌報道官は8日(月)、記者団の質問に答える形でコメントを発表しました。姜報道官は、今年が中国人民の抗日戦争および世界反ファシズム戦争の勝利80周年にあたることに触れたうえで、日本に対し「歴史から教訓をくみ取り、軍事・安全保障分野で言動に慎重を期すべきだ」と呼びかけました。
その背景には、第二次世界大戦期の日本の軍国主義による行為があります。姜報道官は、当時の日本が中国やフィリピンなど周辺国への侵略や植民地支配を行い、さらに南シナ海の島々を占拠したと指摘しました。こうした歴史認識を踏まえ、現在の安全保障政策をどのように進めるべきかという問題提起でもあります。
比向けあぶくま型艦艇6隻の輸出計画とは
今回、中国側がコメントしたのは、日本政府関係者の話として伝えられた計画です。報道によると、日本はあぶくま型とされる艦艇6隻をフィリピンに輸出する方針だとされています。
あぶくま型艦艇の具体的な運用や引き渡し時期など、詳細は明らかにされていませんが、フィリピンの海上能力の向上に資する装備とみられます。一方で、中国側は、こうした動きが地域の安全保障環境にどのような影響を及ぼすかに強い関心を示しています。
中国国防部が示した三つの懸念ポイント
姜報道官の発言からは、中国側が特に次の三点を重視していることがうかがえます。
- 国同士の防衛・安全保障協力は、第三国を標的とするものであってはならず、第三国の利益を損なうべきではないという原則
- 第二次世界大戦中の日本の軍国主義の歴史的責任、とりわけ中国やフィリピンへの侵略、植民地支配、南シナ海の島々の占拠に対する認識
- 近年の日本による武器や軍事装備品の海外輸出の拡大が、平和憲法や専守防衛の原則の枠を超えつつあるのではないかという懸念
姜報道官は、日本が近年、海外への武器・装備品輸出を継続的に拡大していると指摘し、これを「専守防衛」や「平和憲法」の制約を逸脱した動きだとの見方を示しました。
南シナ海とアジア太平洋の安定にどう影響するか
今回の発言で特徴的なのは、日本の動きを南シナ海やアジア太平洋地域全体の安全保障環境と結びつけている点です。姜報道官は、日本が武器輸出などを通じて「排他的なグループ」を形成しようとしていると批判し、それが南シナ海やアジア太平洋地域の不安定化を招きかねないと懸念を示しました。
南シナ海は、多くの国と地域が関係する海上交通の要衝であり、資源や航行の自由をめぐって、さまざまな立場や利害が交差しています。そこに域外国の軍事的な関与がどのような形で加わるのかは、周辺国だけでなく広くアジア太平洋の安全保障に影響を及ぼしうるテーマです。
「慎重な言動で地域の安定に貢献を」中国側のメッセージ
姜報道官は最後に、日本に対して次のような姿勢を求めました。
- 歴史を深く省みること
- 軍事・安全保障分野での言動を慎重に行うこと
- 地域の平和と安定に実際に資する行動をとること
これらは、日本だけでなく、アジア太平洋地域の各国・各地域に共通して突きつけられている問いでもあります。軍事協力や装備移転を進めるとき、どのような透明性や説明責任が必要なのか。特定の国や地域を排除した安全保障の枠組みが、本当に長期的な安定につながるのか。中国の発言は、そうした論点をあらためて浮かび上がらせています。
日本の読者にとっての論点:安全保障と歴史認識をどう結ぶか
日本では、安全保障政策や防衛装備移転をめぐって、憲法や専守防衛の原則との整合性がたびたび議論になります。今回の中国国防部の発言は、海外から見た日本の動きがどう受け止められているかを知る一つの材料と言えます。
国際ニュースとして見るとともに、日本社会として次のような点を考えるきっかけにもなりそうです。
- 歴史認識と現在の安全保障政策の関係を、どのように整理すべきか
- 防衛装備の輸出は、地域の安定に資するのか、それとも緊張を高めるのか
- 国際社会からの懸念やメッセージを、日本の議論にどう反映させるか
2025年という節目の年に、中国と日本の間で交わされる言葉は、単なる外交的なやりとりにとどまりません。歴史と現在、そして未来の安全保障をどう結びつけて考えるのか。私たち一人ひとりにとっても、身近で重いテーマになりつつあります。
Reference(s):
Japan urged to exercise prudence in military, security fields
cgtn.com







