北京で国際基礎科学会議ICBS2025開幕 世界の科学者が集結
世界各国の科学者や研究者が現地時間の日曜日、中国・北京に集まり、2025 International Congress of Basic Science(ICBS、国際基礎科学会議)が開幕しました。数学、物理、情報科学など基礎科学の最前線を議論するこの国際会議は、今後2週間にわたって開催されます。
約1000人が参加 数学・物理・情報科学の最前線を議論
会場となった中国国家会議センターには、約1000人の専門家、研究者、学生が集まりました。参加者は今後2週間にわたり、基礎科学と情報科学・工学の最新動向について深い議論を交わします。
議論の中心となるのは次の分野です。
- 数学の理論と応用
- 物理学の基礎理論と新しい発見
- 情報科学と情報工学の最先端技術
ICBSは、こうした分野を横断しながら、長期的な技術革新につながる知見を共有する場として位置付けられています。
フィールズ賞・ノーベル賞・チューリング賞受賞者が一堂に
今回の会議には、フィールズ賞受賞者4人、ノーベル賞受賞者3人、チューリング賞受賞者2人が参加しました。Shing-Tung Yau氏やAndrew Chi-Chih Yao氏をはじめ、世界の第一線で活躍する研究者が北京に集結しています。
開幕に合わせて、基礎科学分野で長年にわたり卓越した業績を残してきた6人の科学者に対し、2025 Basic Science Lifetime Award(基礎科学生涯功労賞)が授与されました。受賞したのは次の6人です。
- Samuel C. C. Ting 氏
- Steven Chu 氏
- David Gross 氏
- Robert Tarjan 氏
- Shigefumi Mori 氏
- George Lusztig 氏
この賞は、基礎科学に長期的かつ深い影響を与えた科学者をたたえる、同分野で最高位とされる栄誉です。
ICBS会長 Shing-Tung Yau氏「新しい時代の扉が開きつつある」
開幕式のあいさつで、ICBS会長でフィールズ賞受賞者のShing-Tung Yau氏は、数学、物理、情報科学の分野で相次ぐ新しい成果に言及しました。理論的な大きな飛躍と技術革新が相乗効果を生み、新たな時代の幕開けにつながる可能性があるとの見方を示しました。
Yau氏は、基礎科学の進展は単に技術革新を支えるだけでなく、人類文明の継続的な進化を駆動する中核的なエンジンであると強調しました。そのうえで、国際的な科学協力を深め、相互の交流と信頼を育むことの重要性が、これまでになく高まっていると訴えました。
さらにYau氏は、この会議を通じて、より開かれた包摂的な国際学術プラットフォームを築き、世界の研究者が連携して現代の科学技術を前進させることへの期待を示しました。
人類のための科学を掲げるICBS 2023年にスタート
ICBSは、Shing-Tung Yau氏の提唱により2023年に始まった国際会議で、毎年開催されています。共通のテーマとして掲げるのは、人類全体の利益を視野に入れた基礎科学の推進です。
基礎科学は、日常生活からは見えにくい分野ですが、長期的には新しい産業や技術の土台をつくる存在です。ICBSは、国や地域、分野を超えた対話を通じて、その価値を高めていくことを目指しています。
500を超えるセッション 学際的なイノベーションを促す
今年の会議では、500以上の学術セッションが予定されています。内容は多岐にわたり、次のような形式が組まれています。
- 世界的研究者による全体講演(プレナリートーク)
- 学生や若手研究者も対象とした基礎科学の講義
- 特定テーマに焦点を当てたサテライト会議
各分野の第一人者が基礎科学およびその最前線の成果を共有するとともに、異なる分野の研究者が交わることで、学際的なイノベーションを生み出すことが期待されています。
なぜ今、基礎科学の国際会議に注目すべきか
AIや情報技術、エネルギー、材料など、多くの先端分野は、長年にわたる基礎研究の積み重ねから生まれています。今回の国際基礎科学会議は、そうした目に見えにくい基盤づくりの現場が、どのように動いているのかを示す場でもあります。
国際ニュースとして見ると、この会議には次のような意味があります。
- 数学、物理、情報科学の最新動向を知る手がかりとなる
- 国境を超えた科学協力と相互信頼の重要性を映し出す
- 若手研究者や学生が世界の第一線に触れる機会を広げる
特に、グローバルな課題への対応が求められる今、科学を通じた対話と協力は、政治や経済とは異なるレイヤーでの信頼づくりにもつながります。北京で始まったICBS2025は、その一端を担う試みと言えます。
SNSで共有したい視点
通勤時間などの短いスキマ時間にこのニュースを読む日本の読者にとって、押さえておきたいポイントは次の三つです。
- 北京で国際基礎科学会議ICBS2025が開幕し、約1000人が参加していること
- フィールズ賞、ノーベル賞、チューリング賞の受賞者が一堂に会していること
- 基礎科学を人類全体の利益にどうつなげるかという視点から、国際協力の重要性が強調されていること
ニュースとしての事実とともに、基礎科学が社会や未来の技術とどのようにつながるのかを考えるきっかけとして、この動きを追いかけていく価値は大きいと言えるでしょう。
Reference(s):
Global scientists gather in Beijing for congress on basic sciences
cgtn.com








