北京でICBS 2025開幕 フィールズ賞・ノーベル賞受賞者が語る基礎科学の未来 video poster
2025年7月、北京で開かれた国際会議「ICBS 2025」が、フィールズ賞受賞者やノーベル賞受賞者らを集め、基礎科学の未来を語る場となりました。
北京で「ICBS 2025」開幕 世界の科学者1000人超が集結
2025年7月13日、中国・北京の中国国家会議センターで「2025 International Congress of Basic Science(ICBS 2025)」が開幕しました。中国内外から1000人を超える研究者が参加し、その中にはフィールズ賞受賞者4人、ノーベル賞受賞者3人、チューリング賞受賞者2人も含まれています。
今回の会議は、2025年の国際ニュースの中でも、基礎科学に光を当てる象徴的なイベントの一つとなりました。
立ち上げたのは数学者 Shing-Tung Yau 氏
ICBSは、数学者であり会議の議長を務める Shing-Tung Yau 氏が2023年に立ち上げた国際的な学術イベントです。2025年の会議は、テーマとして英語で "Focusing on Basic Science, Leading the Future of Humanity" を掲げ、2週間にわたる科学探究の旅として位置づけられました。
このテーマが示すのは、応用研究やビジネスの成果だけでなく、その土台となる基礎科学をしっかりと育てることこそが、長期的には人類全体の未来につながるという発想です。
なぜ「基礎科学」がいま重要なのか
ICBS 2025が強調する「基礎科学」は、すぐに製品やサービスにならないことも多いものの、新しい技術や産業を支える知識の土台となる研究分野を指します。数学、物理学、情報科学などの理論的な成果が、後になって社会を変える技術の出発点になることは少なくありません。
- ある時点では「役に立たない」と見えた理論が、十数年後には産業や生活インフラの核心になる
- 長期にわたる地道な研究が、突発的なブレークスルー(大きな飛躍)を生み出す
そうした「時間のかかる投資」をどう支え、国際的に連携していくのか。ICBS 2025は、その問いを世界の研究者と共有する場でもあります。
フィールズ賞・ノーベル賞・チューリング賞受賞者が同じ場に
今回のICBS 2025には、数学の最高峰とされるフィールズ賞受賞者4人、自然科学の分野で知られるノーベル賞受賞者3人、計算機科学分野のチューリング賞受賞者2人が参加しました。分野も背景も異なるトップ研究者が同じ場に集い、議論を交わすこと自体が、基礎科学の裾野の広さと重要性を象徴しています。
1000人を超える参加者にとっては、第一線の科学者の視点や問題意識に触れ、自分たちの研究やキャリアを考え直すきっかけにもなったはずです。
北京発の国際会議が映し出す「長期視点」
ICBS 2025の特徴の一つは、会期が約2週間にわたる点です。短期間で成果だけを共有するのではなく、じっくりと議論し、分野をこえた対話を重ねる設計になっていることは、「時間をかけて考えること」の価値を重視している姿勢の表れといえます。
2025年末のいま、夏に北京で開かれたこの会議を振り返ると、急激な変化が続く世界の中で、基礎研究にどれだけ長期的な視野で投資し続けられるかが問われていることにあらためて気づかされます。
日本の読者への問いかけ:自分たちの「基礎」をどう育てるか
国際ニュースとしてのICBS 2025は、日本で暮らす私たちにとっても他人事ではありません。科学技術立国を掲げるのであれば、短期的な成果だけでなく、10年後、20年後を見すえた基礎科学への投資や議論が欠かせません。
ニュースを読む一人ひとりの立場からも、次のような問いを共有しておきたいところです。
- 自分の仕事や学びの中で、「基礎」にあたる部分をどれだけ大切にしているか
- 結果がすぐに出ない取り組みを、社会としてどう支え、評価していくか
- 国境をこえた研究交流や国際会議に、どのような形で関わっていけるか
2025年7月のICBS 2025は、世界の基礎科学コミュニティが北京に集まり、そうした問いを共有した場でした。その余韻は、年末のいまも、私たちが未来の知のあり方を考えるヒントを静かに投げかけ続けています。
Reference(s):
cgtn.com








