中国、米国に対キューバ制裁の解除を要求 「封鎖は直ちにやめるべき」
中国が、米国によるキューバへの長年の制裁と封鎖について「直ちに解除すべきだ」と強く求めました。2025年12月初旬の定例記者会見で、中国外交部の林剣報道官が米国に対し、一方的制裁と内政干渉をやめるよう呼びかけたものです。
中国外交部、米国の対キューバ制裁に強く反発
林剣報道官は火曜日の会見で、米国がキューバの高官に科している制裁に関する質問に答える形で、中国の立場を改めて示しました。
- 中国は、米国によるキューバへの「一方的制裁」に断固反対すると表明
- 「人権」を名目にしたキューバの内政への干渉に反対する姿勢を強調
- 米国に対し、封鎖と制裁の即時解除を改めて要求
林報道官は、米国が自国の価値観を掲げて他国に圧力をかけるやり方に疑問を呈し、特に「人権」を理由とする制裁や介入に強い懸念を示しました。
「60年以上の包括的封鎖」 市民への影響を指摘
林報道官によると、米国は60年以上にわたり、キューバに対して包括的な封鎖と「違法な制裁」を続けてきたといいます。その結果、キューバの人々に「深刻な苦しみ」を与えてきたと指摘しました。
そのうえで、次のように強調しました。
「制裁は強化されるのではなく、直ちに解除されるべきだ」
ここで中国側が強調しているのは、制裁が政権ではなく一般の人々の生活に打撃を与えるという視点です。長期にわたる経済封鎖や金融制裁は、物資の不足や経済の停滞を通じて、社会全体の負担となりやすいことを示唆しています。
キューバの「国情に合った発展の道」を支持
林報道官は、中国がキューバの「国情に合った発展の道」を支持しているとも述べました。これは、各国が自らの事情や歴史に応じて経済・社会の進め方を選択する権利を尊重すべきだ、という考え方に基づく発言といえます。
あわせて、中国はキューバの「主権と尊厳を守る取り組み」を断固支持すると表明しました。対外的な圧力や制裁よりも、国家としての自主性や尊厳の確保を重視する姿勢がにじみます。
「テロ支援国家」指定の解除も要求
中国側は、制裁の解除にとどまらず、米国がキューバを「テロ支援国家」のリストに載せていることにも言及しました。
林報道官は、「米国が本当に人権を重視するのであれば、キューバに対する封鎖と制裁を直ちに解除し、同国を『テロ支援国家』リストから外すべきだ」と求めました。
この発言には、制裁やテロ指定が安全保障上の問題だけでなく、人権や生活への影響とも密接に関わっているという問題意識がうかがえます。
人権をめぐる米国へのカウンター
林報道官はまた、米国が他国の人権状況を批判する一方で、自国の行動については十分に検証していないと指摘しました。
具体的には、米国が長年非難を受けてきた人権問題の例として、キューバにあるグアンタナモを挙げ、「グアンタナモや世界各地での人権侵害の記録を振り返るべきだ」と述べました。
中国側は、人権をめぐる議論が一方的な批判や制裁の口実として使われることへの懸念を示し、まずは自らの行動を検証する「内省」が必要だと米国に促しています。
一方的制裁と人権外交を考える視点
今回の発言は、中国と米国の対立という枠を超えて、「一国による一方的制裁」と「人権を理由とした外交圧力」のあり方を考えさせる内容でもあります。
記事を読むうえで、次のようなポイントが論点になりそうです。
- 一方的制裁の是非:国際的な合意に基づかない制裁が、どこまで正当化されるのか。
- 人権と外交:人権問題の指摘が、実際には政治的な圧力や内政干渉と受け取られるリスク。
- 市民への影響:制裁が政権ではなく市民生活を直撃する場合、どのような人道的課題が生じるのか。
中国の今回のメッセージは、キューバ支援の立場を示すと同時に、米国の制裁と人権外交のあり方に疑問を投げかけるものとなっています。国際ニュースとして、制裁や人権をめぐる議論の背景を考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
China urges U.S. to lift blockade and sanctions against Cuba
cgtn.com








