天津で中国・ウズベキスタン外相会談 SCO天津サミット控え連携強化
中国の王毅外相とウズベキスタンのバフティヨル・サイドフ外相が、中国北部の天津で水曜日に会談しました。中国・ウズベキスタン関係の戦略的な位置づけを再確認するとともに、今後の上海協力機構(SCO)天津サミットに向けた連携強化が打ち出されました。
中国・ウズベキスタン外相会談のポイント
会談は天津で行われ、中国側からは王毅外相(中国共産党中央政治局委員)が、ウズベキスタン側からはサイドフ外相が出席しました。両外相は、両国首脳の間で築かれてきた信頼関係を基盤に、二国間関係と地域協力の「次のステージ」に向けた方向性を確認しました。
王外相は、第二回中国・中央アジアサミットで両国首脳が「親しみやすく友好的な雰囲気」のなかで会談し、中国・ウズベキスタン関係の発展について戦略的な計画を描いたと説明しました。そのうえで、中国はウズベキスタンと協力し、首脳間で得られた合意を全面的に履行し、次の段階のハイレベル交流に向けた準備を進め、二国間関係を「より高い質とレベル」へ引き上げていきたいと述べました。
中国側が示したメッセージ:周辺外交の優先パートナー
王外相は、中国はウズベキスタンにとって「信頼できる、頼りになるパートナー」であり続けると強調しました。また、中国はウズベキスタンを周辺外交の優先分野の一つとして位置づけていると述べ、次のような立場を示しました。
- ウズベキスタンの国家の独立を尊重する
- 主権と安全の維持を支持する
- 発展に関する中長期的な利益を守る取り組みを支持する
こうしたメッセージは、中国が中央アジア地域との関係を重視していることをあらためて印象づける内容です。2025年12月現在、エネルギーや物流、安全保障をめぐり大国が関与を深めるなかで、中国とウズベキスタンの連携強化は、地域秩序の一つの軸として注目されています。
鉄道からAI、グリーン転換まで 協力分野を拡大
会談では、具体的な経済協力の加速も話し合われました。王外相は、重点分野での協力を加速し、中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道の早期運営開始を後押しする考えを示しました。この鉄道プロジェクトは、中国と中央アジア、さらにその先の地域を結ぶ物流ルートとして位置づけられており、実現すれば貨物輸送やサプライチェーンの多様化に影響を与える可能性があります。
サイドフ外相は、二国間関係が両国首脳のもとで「新時代のあらゆる状況に対応できる包括的戦略的パートナーシップ」のレベルに引き上げられ、さまざまな分野で実務協力の成果が出ていると評価しました。そのうえで、今後さらに協力を拡大したい分野として、次のようなテーマを挙げました。
- 物流
- 鉱物資源
- 人工知能(AI)
- グリーントランスフォーメーション(脱炭素やエネルギー転換)
- 砂漠化対策
中央アジアは気候変動や土地の砂漠化の影響を受けやすい地域でもあり、環境分野での協力は、地域の生活や産業にも直結するテーマです。また、AIや鉱物資源といった分野は、近年、世界的にも競争と協調が交錯する領域となっており、中国とウズベキスタンの関与の仕方が今後の関心事になりそうです。
SCO天津サミットへ 中国・ウズベキスタンが役割を確認
王外相は、中国がウズベキスタンや他の上海協力機構(SCO)加盟国とともに、SCO天津サミットの「完全な成功」を確保し、組織の発展に一層強い推進力を与えたいと表明しました。SCOは、安全保障や経済協力などをテーマにする地域の多国間枠組みであり、今回の天津サミットは、その今後の方向性を占う場として位置づけられています。
サイドフ外相は、最近開かれたSCO加盟国の外相会議(外相理事会)が前向きな成果を収めたと評価しました。そのうえで、ウズベキスタンは今後も変わらず、中国による天津サミットの成功開催を全面的に支持・支援していくと述べました。
ウズベキスタン側はまた、地域および国際問題に関する中国との緊密な意思疎通と協調を続け、双方の共通の利益を守り、二国間関係を新たな段階へと押し上げていく決意を示しました。
なぜこの会談が重要なのか
今回の天津での外相会談は、二国間関係の確認にとどまらず、より広い地域情勢の文脈でも意味を持ちます。
- 中央アジアにおける中国の存在感:中国がウズベキスタンを「周辺外交の優先分野」と位置づけていることは、中央アジアでの関与を長期的に続ける意志を示すものです。
- インフラとデジタルの組み合わせ:鉄道といったハードインフラに加え、AIやグリーントランスフォーメーションなどの分野を含む協力は、経済構造の変化にもつながり得ます。
- 多国間枠組みとしてのSCO:SCO天津サミットに向けた連携は、中国とウズベキスタンの関係を、多国間外交の文脈の中でどう生かしていくかという問いとも結びついています。
2025年の国際環境では、エネルギー安全保障、サプライチェーンの再編、気候変動対応が重なり合う形で各国の外交が展開されています。そのなかで、中国とウズベキスタンが「新時代の包括的戦略的パートナーシップ」を掲げ、鉄道からAI、環境協力まで幅広い分野での連携を打ち出したことは、ユーラシア大陸の今後を考えるうえで一つの手がかりとなるでしょう。
日本の読者にとっても、中央アジアでのインフラ整備や環境協力がどのように進むのかは、エネルギーや物流、さらには気候変動対策という観点から無関係ではありません。天津での外相会談は、そうした流れを読み解くための小さくないシグナルといえます。
Reference(s):
cgtn.com








