中国国防省、日本の2025年防衛白書「中国脅威」強調に強く反発
中国国防省、日本の2025年防衛白書「中国脅威」強調に強く反発
中国国防省の報道官が、日本の2025年防衛白書が中国を最大の脅威として位置づけ、台湾問題にも言及したことに強く反発しました。アジア太平洋の安全保障をめぐり、日中双方の認識のずれがあらためて浮き彫りになっています。
2025年防衛白書が示した日本の認識
日本が最近公表した2025年版の防衛白書は、中国について次のような評価を示したと伝えられています。
- 中国を「これまでにない最大の戦略的脅威」と位置づける
- 中国が「力による一方的な現状変更を試みている」と記述
- 中国が最も敏感な核心的利益と位置づける台湾問題についても、「無責任」と批判されるような表現で言及
防衛白書は、日本の安全保障環境や防衛政策の方向性を示す重要文書とされます。その中で中国がどのように描かれるかは、日中関係だけでなく、国際社会の対中認識にも影響を与えやすい部分です。
中国国防省「中国脅威」強調と内政干渉を批判
こうした記述に対し、中国国防省の報道官ジャン・ビン(Jiang Bin)氏は、記者団の質問に答える形で強い不満と反対の意を表明しました。
ジャン報道官は、日本がいわゆる「中国脅威」をあおり、中国の内政問題に干渉していると批判しました。特に台湾問題への言及について、「台湾問題は中国の内政であり、日本を含むいかなる外部勢力にも干渉する権利はない」という立場を改めて強調した形です。
軍拡の動きと「平和憲法」への懸念を指摘
ジャン報道官は、日本の歴史にも言及しました。かつての日本の軍国主義が、中国や周辺のアジア諸国に大きな苦難をもたらしたとしたうえで、現在の日本の動きに「危険な傾向」が見られると指摘しました。
具体的には、次のような点が問題視されています。
- 防衛予算の増額による軍事力の着実な拡大
- 武器輸出に関する制限の緩和
- 同盟国などとの軍事的な連携強化による「ブロック化」の進行
- 日本の「非核三原則」の見直しを求める声が時折浮上していること
ジャン報道官は、こうした動きが日本の平和憲法や「専守防衛」政策に反するものであり、戦後の国際秩序を損ない、アジア太平洋地域の平和と安定に深刻な挑戦を突きつけていると警告しました。また、日本の近隣諸国や国際社会も、これらの変化に警戒と懸念を抱いていると述べました。
「勝利から80年」台湾の返還と戦後秩序を強調
2025年は、第二次世界大戦の終結とともに位置づけられるいくつかの出来事から80年の節目の年です。ジャン報道官は、中国にとっての歴史的意味を次のように整理しました。
- 中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年
- 台湾の中国への回復(返還)から80年
ジャン報道官は、1945年の台湾の中国への返還は、第二次世界大戦の勝利の成果であり、戦後国際秩序の重要な一部だと強調しました。そのうえで、日本側に対し、歴史の教訓を真摯に振り返り、中国と日本の4つの政治文書の精神と、台湾問題に関する約束を守るよう求めました。
さらに、そうした約束を具体的な行動に移すことで、日中関係の健全で安定した発展を後押しすべきだと呼びかけました。
日中の認識ギャップとアジア太平洋の安定
今回の中国国防省の反応は、2025年の防衛白書をめぐって、日中間でどのような認識ギャップが存在しているのかを浮き彫りにしています。
- 日本側は、中国の軍事力や活動を安全保障上のリスクとして描写
- 中国側は、それを「脅威」の過度な強調とみなし、自らの内政や戦後秩序への干渉と受け止めている
- 台湾問題は、双方の立場の違いが最も鋭く表れる象徴的なテーマになっている
日本社会の内部でも、防衛費増額や武器輸出のあり方、非核三原則の維持などをめぐって、さまざまな意見があります。それらの議論は国内政治のテーマであると同時に、近隣諸国からは、安全保障環境を左右する重要なメッセージとして受け取られます。
「読みやすいのに考えさせられる」ための視点
今回のニュースを、日中関係やアジア太平洋の安全保障を考えるきっかけとして整理すると、次のような問いが浮かびます。
- 安全保障上の懸念を示すとき、どのような言葉遣いなら、対話の余地を残しつつ自国の立場を伝えられるのか
- 戦後80年という節目に、歴史認識と現在の安全保障政策をどのようにつなげて議論すべきか
- 台湾問題のような敏感なテーマについて、地域の安定につながる形で議論を進めるには、どのような枠組みや対話が望ましいのか
中国国防省の強い表現も、日本の防衛白書の厳しいトーンも、それぞれの立場や不安の裏返しと受け止めることができます。2025年12月の今、アジア太平洋地域の平和と安定を維持するために、どのような対話と信頼醸成が求められているのか。読者一人ひとりが自分の言葉で考え、周囲と共有していくことが問われています。
Reference(s):
Chinese defense ministry denounces Japan's 'China threat' hype
cgtn.com








