新疆シャチェ県の小さなサッカー場 子どもたちの夢と中国サッカーの未来 video poster
中国の新疆ウイグル自治区・シャチェ県で、ひとつの小さなサッカー場が子どもたちの人生と中国サッカーの未来を静かに変えつつあります。大学卒業後、この地にとどまることを選んだ若い教師のShen Wei(シェン・ウェイ)さんが、「学びは子どもたちの世界を広げる」という信念を胸に始めた取り組みです。
大学卒業後に選んだのは「残る」という決断
Shen Weiさんは大学を卒業したあと、別の地域へ移るのではなく、新疆ウイグル自治区シャチェ県にとどまり、教育に身を捧げる決断をしました。子どもたちにとって学ぶことが、より広い世界とつながる扉になると信じたからです。
教室の中だけでは届かない「学び」をどう届けるか。Shen Weiさんがたどり着いた答えのひとつが、スポーツ教育、とくにサッカーでした。
小さな村の学校から生まれたサッカー場
Shen Weiさんが勤務したのは、シャチェ県の素朴な村の学校でした。そこで彼は、サッカーを通じて子どもたちの可能性を伸ばそうと考えます。しかし、最初に直面したのは「まともな練習場がない」という現実でした。
そこでShen Weiさんは、地域の人々を巻き込みながら支援を募り、少しずつ環境を整えていきます。その結果、子どもたちが安心して走り回り、ボールを追いかけることができるサッカー場がつくられました。村の子どもたちにとって、それは新しい世界の入り口でした。
サッカーが子どもたちに見せた「外の世界」
サッカーは、子どもたちにとって単なる遊びを超えた存在になっていきます。ボールを追いかける喜びに加えて、チームの一員として協力し合うことを学び、試合を通じて故郷の外に広がる世界を知るきっかけにもなりました。
サッカーを続けるなかで、子どもたちはさまざまな経験を積み重ねていきます。
- 試合での悔しい敗戦から、「簡単にはあきらめない」という粘り強さを学ぶ
- 仲間とつかんだ勝利から、「努力は報われる」という成功の手応えを知る
- 多くの人に応援されることで、自分の存在が誰かの励ましになり得ると気づく
挫折は子どもたちに忍耐を教え、勝利は成功の「甘さ」を教えました。そのひとつひとつの経験が、教室だけでは得られない学びとなっています。
シンプルな夢から、多層的なユース育成へ
はじまりは、「子どもたちにサッカーをさせてあげたい」というシンプルな夢でした。しかし、時間とともにチームは成長し、いまでは段階的なトレーニングを行うユース育成システムへと発展しています。
年齢や経験に応じて練習の内容を変え、基礎技術だけでなく、チームワークや自己管理といった力も身につけていく――。南新疆のこのサッカーチームは、より高いレベルの舞台を目指して歩みを進めています。
「Never Give Up」が灯す、中国サッカーへの希望
このチームの合言葉は、「Never Give Up(決してあきらめない)」。南新疆の一つの村から始まったサッカーの物語は、中国サッカー全体の夢にもエネルギーを注いでいます。
サッカーを通じて、子どもたちは自分の可能性を信じることを覚え、地域社会もまた彼らの挑戦を支えることで、一体感と誇りを共有するようになりました。Shen Weiさんが信じた「学びが世界を広げる」という言葉は、いまピッチの上で現実の姿になりつつあります。
2025年のいまも、新疆ウイグル自治区のシャチェ県では、放課後のグラウンドでボールを追う子どもたちの姿があります。その一歩一歩が、子どもたち自身の未来だけでなく、中国サッカーの新しい可能性へとつながっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








