中国の出入国、2025年上半期にビザ免除で1364万人 往来も15.8%増
2025年上半期、中国の出入国が本格的に増加
2025年7月16日、中国国家移民管理局が2025年上半期(1〜6月)の出入国データを公表しました。延べ3億3300万件の出入国が処理され、前年同期比15.8%増となりました。そのうちビザ免除で入国した外国人は1364万人に達し、外国人入国全体の71.2%を占めています。
数字で見る中国の出入国動向
今回発表された国際ニュースの中核は、中国の国境を越える人の動きが大きく増えているという点です。出入国3億3300万件の内訳は次のとおりです。
- 中国本土の住民:1億5900万件(前年比15.9%増)
- 香港・マカオ特別行政区および台湾地域からの旅行者:1億3600万件(前年比12.2%増)
- 外国人:3805万件(前年比30.2%増)
出入国関連の証件発給も活発でした。
- 一般旅券:1065万件
- 中国本土住民の香港・マカオ・台湾地域向け通行証など:4746万件
- 香港・マカオ・台湾地域の住民が中国本土に入るための旅行許可証:116万件
- 外国人向けビザおよび関連書類:88万7000件
これらの数字から、ビジネス・観光・親族訪問など多様な目的での往来が、2025年上半期を通じて着実に増えていることが読み取れます。
ビザ免除拡大と観光政策のポイント
中国の移民管理当局は、制度面の開放を進める一方で、出入国手続きの利便性向上にも取り組んできました。その象徴が、外国人向けのビザ免除政策の拡大です。
2025年上半期には、次のような新しい措置が導入・実施されました。
- 雲南省西双版納に入る東南アジア諸国連合(ASEAN)観光団向けのビザ免除政策を導入
- インドネシアを、中国の240時間トランジット(乗り継ぎ)ビザ免除政策の対象国に追加
その結果、ビザなしで中国に入国した外国人は、2025年上半期だけで1364万人に達しました。これは外国人入国者全体の71.2%にあたり、前年同期比で53.9%の増加となっています。ビザ免除の拡大が、外国人の訪中を強く後押ししていることが数字にも表れています。
地域間往来を後押しする新ルール
中国本土とマカオとの間では、エリアごとの特徴を踏まえた新しい往来ルールも実施されました。
- 広東省珠海市の住民がマカオを訪問する際、「週1回」の訪問を認める政策を正式に実施
- 横琴粤澳深度合作区の住民や同区の居住許可保持者が、マカオを往来する際に「1枚のビザで複数回訪問」できる政策を導入
こうした制度は、生活圏やビジネス圏がまたがる地域での日常的な往来を後押しし、地域経済や人の交流の活性化につながると見られます。
外国人にとっての利便性向上
2025年上半期、中国の移民管理当局は、外国人の「入国・滞在・出国」の一連の流れを支える「全行程サービス」の強化にも力を入れました。
具体的には、関係部門と連携しながら、次のような日常生活に直結する分野での不便解消が図られました。
- 支払い:外国人が現地で決済しやすくするための環境整備
- 宿泊:ホテルなどでのチェックイン手続きの円滑化
- 交通:移動や切符購入の際の手続き簡素化
これらの取り組みにより、中国本土と外国との人的交流や、経済・貿易面での協力が促進されたとされています。国際ビジネスの現場や観光の場面で、「実際に利用しやすい制度」であることを重視している点がうかがえます。
香港・マカオ・台湾地域との一体化を支える制度
中国本土と香港・マカオ・台湾地域との往来についても、よりきめ細かなサポートが打ち出されました。これは、中国全体としての一体的な発展や、両岸(中国本土と台湾地域)の交流の深化を意識した動きといえます。
2025年上半期に実施された主な措置は次のとおりです。
- 香港・マカオ・台湾地域の住民が、中国本土で急ぎの用事があるにもかかわらず、証件を紛失・破損・持参忘れした場合に、暫定的に使用できる臨時証件を発給
- 本土訪問のための通行証と居住許可証をひも付ける「二つの証件の連携確認」サービスを提供
- 関係部門と連携し、台湾地域の住民が初めて中国本土を訪問する際の通行証申請手数料を免除
こうした措置は、香港・マカオ・台湾地域が国家全体の発展戦略により深く組み込まれていくことを後押しし、 cross-Straits(両岸)の交流と協力を一層進めることを目指したものと位置づけられています。
安全確保と開放のバランス
出入国が増えるほど重要になるのが、安全保障と国境管理の強化です。中国の移民管理当局は、2025年上半期を通じて「国家安全の維持」を最優先に掲げています。
具体的には、国境管理や領土管理を脅かす犯罪案件を6914件処理し、1万8000人を超える犯罪容疑者を摘発、223の犯罪グループを摘発しました。制度開放やビザ免除を進める一方で、違法な出入国や組織犯罪への対応を強めている構図が浮かび上がります。
日本の読者が押さえておきたい3つの視点
今回の発表を、アジアの動向に関心を持つ日本の読者の視点から整理すると、次の3点がポイントになりそうです。
- 出入国の回復は東アジア全体の流れの一部
中国本土、香港・マカオ・台湾地域、外国人のいずれにおいても往来が増加しており、東アジア全体で人の動きが活発化していることがうかがえます。 - ビザ免除やトランジット緩和は実務に直結
ビザ免除や240時間トランジットビザ免除の対象拡大は、出張や観光の計画にも影響します。今後の旅行計画やビジネス戦略を考えるうえで、制度の変化をフォローしておく価値があります。 - 地域間の一体化と安全保障の両立
香港・マカオ・台湾地域との往来を支える細やかな制度と、違法行為への厳格な取り締まりが同時に進められている点は、中国の出入国政策の方向性を読み解くうえで重要な手がかりになります。
2025年上半期のデータは、中国の出入国政策が「開放の拡大」と「安全確保」の両立を掲げつつ、実務レベルでの利便性向上を重視していることを示しています。今後のアジア情勢や国際ビジネスを考えるうえで、こうした動きを継続的に追っていくことが、私たちの視野を広げるヒントになりそうです。
Reference(s):
China sees 13.64M visa-free foreign entries in the first half of 2025
cgtn.com








