世界のサプライチェーン新潮流 2025年報告書と4つの指数が示すもの
中国国際貿易促進委員会(CCPIT)は、水曜日に開かれた第3回中国国際サプライチェーン博覧会(CISCE)の場で、2025年版のグローバル・サプライチェーン促進報告書と、4つの指数から構成されるグローバル・サプライチェーン指数マトリクスを発表しました。技術革新とグリーン・低炭素技術が、世界のサプライチェーン協力を新たな段階へと押し上げつつあることが、この報告書から浮かび上がっています。
「1つの報告書」と「4つの指数」が示す新潮流
今回公表されたグローバル・サプライチェーン促進報告書2025は、第3回中国国際サプライチェーン博覧会の基幹出版物として位置づけられています。報告書は、世界のサプライチェーン協力で何が起きているのかを整理し、新たなトレンドを提示しています。
併せて発表されたグローバル・サプライチェーン指数マトリクスは、4つの主要な指数を組み合わせてサプライチェーンの状況を多面的にとらえようとするものです。詳細な数値や評価の中身は今後の分析に委ねられますが、「コスト」や「スピード」だけではなく、技術力や環境対応といった要素を含めてサプライチェーンを見ていこうとする姿勢がにじみます。
キーワードは「デジタル化」と「グリーン化」
中国国際貿易促進委員会の報道官である趙萍(Zhao Ping)氏は「報告書によると、技術革新はグローバル・サプライチェーンを動かす役割をますます強めている」と述べています。報告書は、人工知能(AI)などのデジタル技術が急速に進化・成熟する一方で、炭素回収・貯留(carbon capture and storage、CCS)といったグリーン・低炭素技術の活用もスピードを増していると指摘しています。
こうした動きによって、世界のサプライチェーンはデジタル化とグリーン化が同時に進む新しい段階に入ろうとしています。単に「どこから仕入れるか」ではなく、「どれだけ見える化されているか」「どれだけ環境に配慮しているか」が重要な基準になりつつあるという見方もできます。
デジタル技術がもたらすサプライチェーンの変化
デジタル化が進んだサプライチェーンでは、データを基盤とした運営が可能になります。例えば、次のような変化が起きやすくなります。
- 需要や在庫の状況をリアルタイムで把握し、過不足を減らす
- AIを活用して調達や生産計画を自動で最適化し、ムダを削減する
- 災害や地政学リスクなど、サプライチェーン全体のリスクを早期に検知しやすくなる
これらは個々の企業だけで完結するものではなく、サプライチェーンに関わる多くの企業や組織がデータを共有し、連携することで初めて実現します。報告書が「協力」という言葉を強調していることは、デジタル化と同時にパートナーシップの重要性が高まっていることを示していると言えます。
グリーン・低炭素化がサプライチェーンの新たな条件に
もう一つの柱が、グリーン・低炭素技術の普及です。CCSのように、二酸化炭素を回収して地中などに貯留する技術は、排出量の多い産業で注目が高まっています。こうした技術がサプライチェーンに取り入れられることで、製品一つひとつに含まれる温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を減らしていく動きが加速します。
環境への配慮は、規制対応だけでなく、取引先選定やブランド評価にも関わるテーマになりつつあります。サプライチェーン全体で排出削減に取り組む企業は、長期的には資金調達や市場アクセスの面でも優位に立てる可能性があります。
企業や政策担当者にとっての示唆
グローバル・サプライチェーン促進報告書2025と指数マトリクスが示す方向性は、各国・地域の企業や政策担当者にとって次のような示唆を与えます。
- 調達先や生産拠点を選ぶ際に、「デジタル対応」と「環境対応」を重要な条件として位置づける必要がある
- 自社だけでなく、サプライチェーン全体でデータ共有や排出削減の目標を考えることが求められる
- 国境を越えた協力の枠組みや共同プロジェクトに参加し、新しい技術や運営手法を取り入れていくことが重要になる
とくにアジアの企業にとっては、成長市場としての魅力と同時に、サプライチェーンのハブとしての役割が増しています。デジタル化とグリーン化の波にどう乗るかが、今後の競争力を左右するポイントになりそうです。
「安く・早く」から「賢く・クリーンに」へ
第3回中国国際サプライチェーン博覧会で発表された今回の報告書と4つの指数は、世界のサプライチェーンが「安く・早く」から「賢く・クリーンに」へと価値基準を広げつつあることを映し出しています。技術革新とグリーン・低炭素化をどのように組み合わせ、国や地域を越えて協力を深めていくのか。2025年以降の国際経済を考えるうえで、注目しておきたいテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








